今村翔吾 の エッセイ集「湖上の空」

1984年生まれの若い直木賞作家の随筆集。
生まれ育った家庭環境、時代小説に熱中する少年時代、ダンスインストラクターとなる経緯、30歳で小説家を目指すことを決断したことなどが赤裸々に語られている。

特に父親がやっていたダンスを通じて問題児を更生させる仕事、両親の離婚と父親の再婚、父親との確執など、文章にしづらいことをも吹っ切れたかのように表現している。

京都府生まれながら、滋賀県に住み、琵琶湖周辺の武将を取り上げるのも面白い。さが文学賞で委員の北方謙三に声をかけてもらえたことで「ぼろ鳶火喰鳥」が生まれたという。澤田瞳子とも親交があり、個性の