藤井邦夫 の 介錯人 新・秋山久蔵御用控(十五)

★3.3 新シリーズ15作目。
大助の成長を示すのは「瓜二つ」。これまで、久蔵は大助には事件に全く関わらせなかった。それが今回は、初めて助けを求めに来た女を護るように指示した。もちろん太市もいっしょ。賊が現れると大助は木刀で相手をし、太市は万力鎖を握っている。大助が木刀を打ち込むのだが、賊はそれを躱して逃げてしまう。そういえば、大助の道場の話も、腕前もこれまで触れたことはなかった。久蔵の息子であっても、剣の素質を受け継いでいるとは限らない。

「介錯人」は表紙の絵。無法を働く食詰浪人どもの斬殺事件を黙認するかのような久蔵もありで。

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