連載:孫日記

「上り坂と下り坂」

「○○ちゃんのために作ってんの!」
時間だから切り上げようと言うパパの声にお兄ちゃんは答えた。

「もう直ぐ完成だからちょっと待って」

バアバが送って行くのもありだと事前に了解をとり、私はお兄ちゃんと朝ご飯を食べ、化粧身支度は早々終えていたから、待ってみる事にした。それに今朝は特別だ。

娘が早出の土曜日は、お兄ちゃんも早く起きてママのいるリビングで過ごしていたが、今朝は違った。

お兄ちゃんが下に降りたと思ったら、大きな声が聞こえた。何か叫び声のようだった。直ぐにまた上がって来る音がする。

布団に入った気配がしたので、隣の部屋