連載:薩摩よみうり俳句

薩摩よみうり俳句4月11日(火)

4月11日 (火) さつま読売文芸 俳句
   俳句 大川畑光詳 選

春尽やここも明日から無人駅     鹿児島 松本 清展
(評)利用者減少に伴う業務運営の効率化で駅の無人化が都市部でも進む。作者の利用する駅も4月から無人化されるのだろう。春尽には行く春を惜しむ思いが籠るが、揚句にはそれとも少し違う感情が感じられる。「ここも明日から」という切迫した表現によって効率化を追求する時流に流されていかざるをえない作者の鬱然とした思いが伝わってくる。

子に未来吾に追憶シャボン玉    鹿児島 上坪 満代
うららかや婚の定まる ティーポット  霧