藤井邦夫 の 「お多福-新・知らぬが半兵衛手控帖(18)」

★3.5 新シリーズ18作目。
表紙は夫婦で築いた小間物屋を離縁されたお多福が担ぎ売りをする図。

「大盗賊」はこのところお馴染みになりつつある〈隙間風の五郎八〉が起こした事件がもと。本人が盗みに入った献残屋では50両しか盗まなかったにもかかわらず、献斬屋は千両と古田織部の金継ぎ茶碗を盗まれたと奉行所に申し立てた。

担当はあの定廻りの風間だが、まさか1人だけの犯行とは思わず捜査は難航して、半兵衛が代わることになる珍しい展開。五郎八が悪徳な献残屋を憎み半兵衛に告げるという設定。簡単に先の読める展開はもう少し捻って欲しいところではある。

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