薩摩よみうり文芸 6月6日(火)
俳句 大川畑 光詳 選
まま
儘ならぬ竿の扱ひ梅落とす 霧島 尾上 春風
(評)梅雨に入る頃、梅の若葉が茂ってくると、梅の実が太り始める。黄熟する前の、固く緊った青梅を収穫して梅干しや梅酒などを作る。大きな梅の木は竿で枝を叩いたり、揺らしたりして落とす。竿で叩くたびに梅の実がぱらぱらと音立てて地面に転がる。竿の扱いに苦労しながらも、毎年楽しみにしている作者である。季語は「梅落とす」で夏。
新緑や親離れせし岬馬 霧島 久永のり尾
群雲の足並み揃ふ五月晴れ 阿久根 別府