連載:俳句帳

6月の俳句帳(122)令和5年6月30日

1)蒼き音渓流を染め苔茂る

2)せせらぎや鮎の友釣り竿の先

3)竹林を抜けて廃線揚羽行く

4)藍染めの手拭い止まる青蜻蛉(あおとんぼ)

5)清流に揺れる水草糸とんぼ

6)琵琶(びわ)哀し耳無し芳一螢墓

7)ほんのりと足湯温(ぬく)まる青鷺湯

8)青葦(あし)の雀(すずめ)夕宿かしましき

9)陽射し岸塩辛蜻蛉色眼鏡

10)甲高(かんだか)き啼き声庭に青葉闇

11)せせらぎに負けじと降雨梅雨の音

12)老体の歯車回す時計草

13)庭に降る南高実梅梅酒瓶

14)色褪(あ)せし簾(すだ