西條奈加 の 「隠居おてだま」

★3.5 シリーズ2作目。6つの連作物語。子供たちによる「千代太屋」という王子権現での案内仕事、お登勢が師匠の手習い所「豆堂」、組紐の仕事場である「五十六屋」は続いている。

前作の流れから、組紐の高台が登場したり、帯留めの話が出てくることは自然なことか。ただ、錺職人の秋治と嶋屋のお楽の話を皆で徳兵衛に内緒にしたことで、後でバレ、大変なことに。隠居し、吉郎兵衛に任せたのだから、嶋屋内のことに口を出すべきではないのだが・・・。

「めでたしの崎」では、榎吉の仕事場がらみで珍しく雑司ヶ谷が登場し、「隠居おてだま」では四宿の1つ板橋宿が登場する。時代小