新田次郎 の 短編集「梅雨将軍信長」

★3.5 8つの短編と1つの中編。技術者や科学者を主人公にした時代小説を新田次郎は「時代科学小説」と呼んでいたらしい。

【梅雨将軍信長】
後梅雨期の豪雨に奇襲し桶狭間で運をつかんだ信長。更には梅雨の中休みを待ち、大量の鉄砲で武田を破る長篠合戦。いずれも気象条件を予知した成果である。だが最後は、天気次第で気が変わると言われた明智光秀に・・・。

【鳥人伝】
飯嶋和一の「始祖鳥記」と同じく、江戸時代後期に日本で初めて空を飛んだ浮田幸吉の物語。物語は天明の頃、岡山の表具屋に幸吉という腕のいい奉公人がいた。店の借金を返すために空を飛ぶカラクリを作り