辻堂 魁 の 「母子草 風の市兵衛 弐」

第弐部12作目。時代は文政9年(1826年)となり、市兵衛と矢藤太に人探しの依頼がきた。日本橋の永代通りの酒問屋、摂津屋の主、里右衛門は59歳、大病を患ったことをきっかけとして、若かりし頃に縁のあった女、3人と心の決着をつけたいと思うようになった。3人を探し出し、それぞれに100両ずつを渡すことと、突然姿を消してしまった理由を聞くことである。42年前に摂津屋に奉公に来たお高、33年前に女掏摸から町芸者にしてやったおは津、29年前に辰巳芸者だった米助。いずれも生きており、姿を消した理由や、その後どう生きたかが明かされる。珍しい趣向で面白い。

17歳の