砂原浩太朗の「霜月記(そうげつき)」

神山藩もの3作目。父の隠居、失踪で町奉行を継がねばならないことになった総次郎。父を探し出すことが優先されるが、起きた事件はその父が関係するのかと思われる。現場にあったのが父の物と思われる藤の模様の根付。逃げた武士に殺されたのは豪商の信濃屋の三番番頭を首になった彦五郎だった。落ち込んでいる総次郎の力となるのが幼馴染の武四郎と妹の奈美。祖父の左太夫も力を貸そうという気になる。

馬廻り組、日野家の4男である武四郎も18歳、妹の奈美は17歳。家格は草壁家と同じで藩校日修館や影山道場からの幼馴染である。

祖父の左太夫がいるのは花街にある「賢木(さか