梶よう子 の「雨露(うろ)」

★3.3 小山勝美(後の浮世絵師・東洲勝月)の彰義隊参戦記。城山三郎の「雄気堂々」や植松三十里の「繭と絆 富岡製糸場ものがたり」などで渋沢成一郎や尾高惇忠、上野戦のことをある程度は知ってはいたが、その詳細を勝美を通して知ることになる。丸毛利恒が幕府との連絡役として登場するが、旗本の三男から旗本・丸毛彦三郎の養子となり彰義隊に参加した男。

川越藩右筆の次男として生まれた小山勝美は兄に誘われ20歳で彰義隊に参加し生き残って浮世絵師(東洲勝月)となる。川越藩上屋敷は赤坂溜池の南の汐見坂にあり歌川国芳の弟子・歌川芳近に弟子入りし出稽古にきてもらっていた。