連載:介護

「80まで行こうね」

「おっと、危ない!」
「気をつけてよ、鉄子さんが転んだら大変」
平らな床で躓いた。声を掛けてきたのは私より年上の同僚だ。


職場は認知症対応型グループホーム。昼間は9人の入居者に対して、3人の職員がいる。

症状が軽い状態で入居しても、時間と共に重くなって行くから、今は歩き出したら付き添わなければならない人が増えたし、それ以外にもいろいろ難題山積で、一気に大変になると思っていた。

職員は私が一番若い日が殆ど。私は69歳。尊敬している「長女」に当たる人が休んだ。自宅で転倒したらしい。「次女」が整形外科に通い出した。肩が痛くて辛いらしい