あさのあつこ の「野火、奔る」

★3.5  シリーズ12作目。9作目の「鬼を待つ」の続編。遠野屋の奉公人であるおちやが1年もして八代屋に強引に連れ戻されそうになった。更には弥勒寺前の武家屋敷の路地で昼間に町人が刺殺されているのが見つかった。そして遠野屋には、差波藩からの紅花を積んだ船が江戸に着かないという連絡が。そしてかの八代屋には、後を継いだ長太郎が仮祝言だけという不自然な噂。今回は、信次郎がこれらの事件を繋げ、謎解きをしていくという特殊な物語となっている。

〔今回新たに追加された遠野屋内、差波藩内の状況〕
・大店の八代屋を出て、遠野屋に女中奉公したおちや、父母ともに早く死別