植松三十里 の 「富山売薬薩摩組」

★3.5 富山の薬売りと薩摩の調所笑左衛門広郷の物語。
江戸時代の外国貿易については、幕府はすべてを長崎奉行所と長崎会所を通さねばならないと定めている。薩摩藩は傘下の琉球が清国から輸入する薬種などは一旦は長崎を通さねばならない。
・輸入薬種の大部分は大坂の道修町に運ばれ取引が行われる。長崎を通さねば抜け荷扱いとなり、摘発の対象となるが、その利幅の魅力に勝てず数々の問題を起こしてきた。
・清国相手の輸出品は、俵物とよばれる海産物が主で、蝦夷地のアイヌの人々が採って干物にする。それを和人が北前船で長崎に運び、会所を通して清国商人に売り渡す。