シューベルト の交響曲第8番「未完成」他をムラヴィンスキーの指揮で聴く

2019年3月以来の鑑賞。
交響曲第8番「未完成」。
第1楽章の最初の部分では主旋律が聞き取りずらい。ホールに響く音像のイメージは掴むことができる。実演ではかなり違った響きがホール全体に広がったのだろう。ワルターやクライバーの演奏が愛聴盤だ。各々、趣が異なるものの、シューベルトの音楽にあるロマン的な香りや、あふれずにはおかない情感は双方から、ともに伝わってくる。しかし、おそらく録音のせいだとは思うが、ムラヴィンスキーの演奏にはそうしたものが少なすぎる。陰鬱ともいえるコントラバスの静かな響きがとらえられていないし、全体のニュアンスも細やかさに乏しい。