澤田瞳子 の 「月ぞ流るる」

★3.4 NHK大河「光る君へ」では赤染衛門はいつ登場するのか。三条(居貞)天皇の時代(1011~1016年)の朝廷と平安貴族の姿を「栄花物語」の作者である朝児(赤染衛門)の視点で描く。特に宮廷内の娍子皇后の勢力図と三条天皇と藤原道長の確執を描くために、三条天皇の東宮時代の妃・藤原原子(定子の妹)の死因にまつわる謎解きを主軸としている。時代は「枕草子」が出て16年、「源氏物語」はその数年後に当たる。

物語は朝児の夫・大江匡衡が病没した朝児(あさこ)56歳の年(1012年)に始まる。比叡山権僧正・慶円から15歳の頼賢を教育してくれと頼まれ、屋敷の