高橋克彦 の 「炎立つ 伍 光彩楽土」

★3.3 最終の5巻目。3代秀衡の晩年から4代泰衡の奥州敗戦まで。物語は2代基衡を飛ばして3代秀衡52歳から始まる。

承安2年(1172年)4代泰衡は18歳。泰衡は次男ながら母が前の陸奥守・藤原基成の娘であり後継者となった。その基成も今は平泉に住む。長男の国衡は母が物部の末裔としている。秀衡の支配地は奥六郡の他、出羽、津軽、磐城を含み、2年前には平清盛の推薦で鎮守府将軍に任じられている。平氏という武士が太政大臣になる時代となっている。

策士たる基成は源氏嫡流のしかるべき者を平泉に迎え秀衡が後見するという案を出す。義朝の末子ならば娘婿にもで