フリッチャイ指揮で聴くチャイコフスキーの交響曲第6番「悲愴」

2022年6月以来の鑑賞。
第1楽章前半のアダージョでのフリッチャイの深みのある演奏は説得力十分だ。アレグロに入ってからの演奏は、さらに充実している。うねるような音楽の進行の中に、魂の叫びや悲しみが溢れるものの、押しつけがましさがない。解説書によれば、第1楽章の一部を再録音したいと考えていたフリッチャイの意思を尊重したため、フリッチャイの死去により、再録音が叶わぬままになっていたという。しかし、関係者の同意のもとに、この素晴らしい録音が世に出る運びとなったという。幾多の名演の中にあってもフリッチャイの演奏はひときわ輝きを保つ。
第2楽章冒頭の弦楽器とフル