チャイコフスキー の交響曲第6番「悲愴」をクレンペラーの指揮で聴く

2021年12月以来の鑑賞。
曲の冒頭からして、骨太の響きをオーケストラから紡ぎだしているところはいかにもクレンペラーらしい。フルートとファゴットの呼応など思わず聴き入る。そして、常に豊かな低弦が音楽を支えている。アレグロに入る前のクラリネットにすでに秘められたエネルギーを感じる。嵐のような展開部は迫力に満ち、重厚なオーケストラの音色は苦悩を劇的の表現している。
第2楽章も軽やかさや華やかさとは無縁だ。ここでもオーケストラは腰の据わったスケールの大きな演奏を展開する。ブラームスを聴いているようにさえ感じた。
第3楽章も地に足の着いたというべき確かな足取り