初世中村吉右衛門の俳号に因む「秀山祭」。六世尾上菊五郎と並び、「菊吉」と称された初世を顕彰するため、二代目吉右衛門が中心となって開催されてきたもの。今年は二世吉右衛門の一周忌追善も兼ね、縁戚の白鸚、幸四郎父子、松緑、菊之助・丑之助父子も加わって賑やかな舞台となっている。 「仮名手本忠臣蔵 祇園一力茶屋の場」、所謂「七段目」。由良之助に仁左衛門、おかる雀右衛門、平右衛門海老蔵の豪華な顔ぶ…
腰痛の施術の後は、娘と食事&芝居見物。急に理学診療を入れたので、食事の予約時間に間に合うか心配だったが、20分前に銀座に着いてしまった。暫く教文館で時間つぶし。夏休み中とあって、絵本や児童書のコーナーが楽しいが、男の孫は本嫌い。引き込まれる楽しさを教えてやれないのは残念至極。 歌舞伎座第三部「東海道中膝栗毛 弥次喜多流離譚(リターンズ)」。コロナ発生により第一部が直前に中止となったりで心配して…
当初は仁左衛門と玉三郎の「与話情浮名横櫛」で、妖艶なお富と鯔背な与三郎が楽しみだった第三部。仁左衛門が頭部にヘルペスを発症、痛みで鬘が被れず演目変更となり、ガックリ。鬘無くても良いから、「羽織落とし」が見たいよう、と娘に文句を言ったら、手ぬぐいも痛くて無理だろ、との返事。尤もだ。 原作も知らず、新派風女郎の心中物語と思い込んで、ブツブツ言いながら劇場へ。 幕末、開国後の横浜で、アメリカ人の身請…
「暫」歌舞伎十八番の一つで、「矢の根」「鳴神」などと並ぶ荒事の代表的な演目。 海老蔵が自分で言っているように、久しぶりの歌舞伎座登場。彼と子息の舞台チケットは、初日前に売り切れるほど人気が高いが、今月は例のブログ攻撃の余波で出足は鈍かったように思う。一方的な口撃と内容のいい加減さに同情票が集まったか、開幕後からじわじわと売れ出し、気が付けばこの幕(第2部)は千秋楽まで完売となった。 皇位を伺お…
さすがに鶴屋南北作品、エロとグロの撚り合わせが凄い。 舞台は鎌倉、長谷寺の僧清玄(仁左衛門)と稚児白菊丸(玉三郎)は禁断の恋に落ち、海に身を投げて心中しようとする。香箱の蓋と身にお互いの名を記し持っていたが、怖気づいた清玄は飛び込めず、生き残る。そして17年・・ 高級武士吉田家の息女、17歳になる桜姫。父と弟を殺害された上に重宝を盗まれ(よくあるパターン)、しかも自身の左手が開かないという奇病…
十七代目中村勘三郎三十三回忌追善と銘打った興行。 「奥州安達原 袖萩祭文」筋立てはこちら https://blog.goo.ne.jp/yokikotokiku/e/29974adfff7a1041460b417363025f62 雪の庭を挟んで父親と娘が自害する、という凄惨な筋立てで、重い太鼓の音とともに降り積む雪が寒々しい。 ヒロイン袖萩に七之助、苦労続きの人生は最期まで哀しい。 …
v待っていた十三代目市川團十郎の歌舞伎座での襲名公演の骨格内容が発表されました。 団十郎、新之助以外の役者や、公演時間などはまだ決まっていません。 先ずは、団十郎襲名公演(新之助襲名も含む)の5月、6月、7月の主要情報は、下記の通りです。 5月公演は・・・・・ 5月3日(日)~5月27日(水)。 但し15日は休演日。…
高麗屋三代の襲名披露で湧く歌舞伎座へ。 「双蝶々曲輪日記」角力場(すもうば)だけ。初めて見る人は、内容がチンプンカンプンだろう。次の「引窓」も出せば、上方らしい世話物が楽しめるのに。芝翫の濡髪、愛之助の放駒がともに適役、それだけに角力場だけなのが惜しまれる。 口上、高麗屋三代、吉右衛門を始め、藤十郎、左団次、秀太郎、梅玉ら、幹部が居並び、華やぐ舞台。一人一人の挨拶に、大きな拍手と掛け声…