狭い世界
若い頃は、自分しか見えない。 自分の意識の世界と、私との識別もできない。 自分が可愛くてしかたない。 自己愛から抜け出せない。 さすがに、73歳ともなれば、 意識世界の中で、自分や私が見えてくる。 私や自分を見ると、 この「いかがわしい」人物は誰だろうとなる。 変なやつである。 しかし、死ぬまで縁を切ることは不可能。 書くことや考えることを見ていると、 まるで詐…
若い頃は、自分しか見えない。 自分の意識の世界と、私との識別もできない。 自分が可愛くてしかたない。 自己愛から抜け出せない。 さすがに、73歳ともなれば、 意識世界の中で、自分や私が見えてくる。 私や自分を見ると、 この「いかがわしい」人物は誰だろうとなる。 変なやつである。 しかし、死ぬまで縁を切ることは不可能。 書くことや考えることを見ていると、 まるで詐…
いぜんリベットの実験の驚きの結果のことを日記に記した。この実験はとても地味なものだが、結果は予想を越えたものを含んでいる。 人間の意識が肉体の行動を自覚できるタイミングは、身体的な反応が始まってから、0.3秒ほど後だという実験結果だ。まず身体的な反応がはじめに起き、そのときは意識はまだなにも知覚していない。しばらくして後追いするように、その肉体的な反応を意識は自覚するに至る。つまり無自覚のうち…
若くして亡くなった哲学者池田晶子さんの言葉を、折にふれて紐解く。思考するということの力強さを、いつも感じさせてくれて思いを新たにする。また真実にも。 今日はこのような言葉を味わった。 「そもそも私たちは、自分の決断で生まれたわけではなく、自分の決断で死ぬのでもない。生まれて死ぬという、人生のこの根本的な事態において、私たちの意志は全然関与していない。気がついたら、どういうわけだか、こういう事態…
先日、お盆の最中に、宗教の集まりでおせわになっていたH先生が急逝された。3週間ほど前に入院されたと聞き、見舞いに伺ったばかりで急な知らせだった。 先生は科学者としての立場から、生死の問題を追及されてきた方であった。坐禅の修行なども若い頃からされていたようだが、基本的に宗教に対しては批判的な見解にたつ。その点で自分は立場がことなっていた。したがって、宗教に関しては先生の考えの賛同者とはいえなかっ…