「潮 騒」の日記一覧

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椿生け艶やかな色冴えていく  

 鯉のゐて流れ椿となりにけり  西田美ち  咲くもよし散るも風情や紅椿  和気永子  藪椿数で埋めきれざる愁ひ  湯川雅  椿咲く思いのたけをぶちまけて アロマ  落つるまで空と交信する椿  稲畑廣太郎  一喜して一憂消しぬ紅椿  天野みゆき  百の芽を育む椿日脚伸ぶ  小川玉泉  紅椿白椿共に美しく  アロマ  門入り有楽(うらく)椿に迎へらる  田中藤穂 …

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桜貝二枚連ねてブローチに

 さくら貝置き去る波とさらふ浪  飯島正人  うすべにはもの想へとや桜貝  山田弘子  サマーセーターに桜貝のブローチを アロマ  さくら貝恋路が浜に拾ひけり  吉田冬葉  さくら貝拾ひあつめて色湧けり  上村占魚  桜貝さびしくなれば沖を見る  福田蓼汀  風に見え疾風に虚し桜貝  阿波野青畝  桜貝二枚連ねてブローチに アロマ  初さくら貝むらさきに山きゆる  角川春樹 …

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若き日の微笑艶やか紅珊瑚

 硝子のなかの微笑 あまたの 都市夕景  伊丹公子 ドリアンの棘  椎若葉湧くがごとくに微笑仏  上野さち子  麦秋や里人はみな微笑仏  渡辺立男  柔らかな若葉の色に微笑みを アロマ  微笑苦笑やがて爆笑芋煮会  鈴木鷹夫 千年  微笑みのパステルカラー春の野に アロマ  秋の霜微笑みは木立の明るさ  金子兜太  秋風や人違ひされ微笑みて  星野立子  風強く微笑み我が道を…

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高野山仕出しの精進料理美味

 塩漬の衝羽根(つくばね)飾る山料理  柴原保佳  沖よりの霧匂ひくる鮭料理  桂樟蹊子  牡蛎料理つるりと吸うて写楽の絵  高尾真琴  何にかにと白魚づくしの料理が出  阿波野青畝  夏はぜや滝の下なる菴料理  芙雀  夏久し初めに向ふ料理かな  林紅  夏蜜柑まろぶ道来て磯料理  水原秋櫻子 餘生  青い蜜柑を絞り飲み干して アロマ  花疲れ卓に肱投げて料理註文  阿部みど…

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朝の庭占めるかに紅立葵

    「アロマ」の句    朝の庭占めるかに紅立葵  梅雨の前河原に皆で蛍狩り  初蝉に心誘われ小路行く  潮騒は石を誘いごろごろと  青空に夾竹桃の燃え立って  朝顔は大輪の紺露湛え  水着で歩く江の島湘南に  夏の朝薄い鈍色野を覆う  柳川に合歓の花見て川下り  山荘の窓辺に薊凛々と冴え  街道に磐梯山は空を突く         「高橋淡路女」の句  風鈴や一と…

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蝦夷の旅雲丹軍艦を頬張って

   「アロマ」の句  潮騒の石ごろごろと巻き込んで  米塚の天鵞絨の碧艶やかに  盛岡城の薔薇園に陽当たりて  生成りの肉厚の花泰山木  木の芽和え筍の香の瑞々し  蝦夷の旅雲丹軍艦を頬張って  稚内公園に見る海蒼く  霧懸かる知床峠ドライブす  菖蒲池二人傘差し巡り行く  夾竹桃燃え立つかに青い空    「阿部みどり女」の句  訪へば声なし金魚屋の遠くより  …