「亀井勝一郎」の日記一覧

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4月第5週の読書

26日に新年度の札幌交響楽団定期演奏会が始まった。年間テーマとして「愛と死」が掲げられている。 https://www.sso.or.jp/concerts/2021/04/-636/  この日のプログラムの一曲目は、フォーレの組曲「ペレアスとメリザンド」。メーテルリンクの戯曲の付随音楽として作曲されたもので、まさに「愛と死」を扱った作品。  二曲目は、バルトークのピアノ協奏曲第三番でソロは小菅…

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「大和古寺風物誌」(亀井勝一郎)に思う私の歩み  6、蛇足(おまけ)

6、蛇足(おまけ) 〇最後に本題の話でなく、蛇足であるが、つい私の美術本位の興味がいってしまうのだが、「法隆寺」の「金堂の春」のところで、「念持仏の厨子(橘夫人厨子)の右側に立つ天平の聖観音」のことが書かれている。 〇いったい金堂の天平の聖観音なんてあったのだろうか。パソコン検索してみると、このことをヤフー知恵袋で質問している人があり、ベストアンサーでも「そんなものはありません。橘夫人厨子の…

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「大和古寺風物詩」(亀井勝一郎)に思う私の歩み  4、古寺を巡る旅と自分探し

4、古寺を巡る旅と自分探し 〇私が毎月、毎週のように京都・奈良を徘徊したのは、初任地の名古屋に赴任していた30歳までであった。 学生時代の同志も、京都と奈良にいたので、彼らをたよってはじまった古寺巡りの旅だった。 〇最初は美しいとも思わなかった阿弥陀などの平安仏の坐像も20代の後半には美しいと思えた。 そのうち、歴史ある古寺や遺跡を毎週巡り、歴史と季節の中にみを置いている自分を確認しないと、…

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「大和古寺風物誌」(亀井勝一郎)に思う私の歩み  3、共感

3、共感 「唐招提寺」のところでは、「唐招提寺にはどんな古寺にもない独特の美しさがある。伽藍位置のかもしだす整然たる調和の美しさであって、私はそれを見たいためにやってくるのだ。奈良朝の建築の精華はほぼここに完璧な形で残っていると言えよう。ギリシャ神殿を彷彿とさせるような円柱の並んだ金堂平城京の朝集殿と伝えられる講堂およびその西側に細長く建っている僧房、小さく華麗な二階造りの鼓楼。この四つの伽藍…

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「大和古寺風物詩」(亀井勝一郎)に思う私の歩み  2、「大和古寺風物詩」の根底に流れる思想

2、「大和古寺風物詩」の根底に流れる思想 〇「大和古寺風物詩」は大和を氏が旅したのは、昭和13年からであるが、昭和17年にそのほとんどが書かれている。 「斑鳩宮」「法隆寺」「中宮寺」「法輪寺」「薬師寺」「唐招提寺」「東大寺」「新薬師寺」の項目からなっている。 〇法隆寺の「初旅の思い出」に、最初に大和を巡った時の思いを書いてある。「仏像は人間を行為に誘うはつらつたる魅力に乏しい。半眼に見開いた…

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「大和古寺風物詩」(亀井勝一郎)に思う私の歩み 1、青年の頃の「大和古寺風物誌」の感想

はじめに 1、青年の頃の「大和古寺風物詩」の感想 2、「大和古寺風物詩」の根底に流れる思想 3、共感 4、古寺を巡る旅と自分探し 5、大和しうるわし 6、蛇足(おまけ) はじめに 仏像の勉強会に出ていた頃、「大和古寺風物詩」が話題になったが、彫刻史として仏像を見ている人たちからは、亀井勝一郎は文学者であり、仏像彫刻の勉強にはならないという意見があった。 それは違う。「大和学」の大家が、たまた…