「ワルター指揮」の日記一覧

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ベートーヴェンの 交響曲第2番・第4番をワルター指揮のLPで聴く

2021年の10月以来の鑑賞。 交響曲第2番。 第1楽章のアダージョの序奏から主部に入ると、力強く音楽は進行する。ワルターの演奏は力みがなく暖かい。ソナタ形式による主題の対照も味わい深い。溌溂とした演奏だ。 第2楽章はラルゲット。さりげなく転調するところは、モーツァルトの緩徐楽章にも似ている。旋律の美しさ、和音のふくよかさを伴った抒情性のある音楽をワルターは気負いなく演奏する。 第3楽章…

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ベートーヴェンの 交響曲第3番「英雄」をワルター指揮のLPで聴く

2022年3月以来の鑑賞。 ワルターのベートーヴェンは2番、4番、6番を比較的よく手に取っていた。 第1楽章は外連味のない極めてオーソドックスな演奏の中に温かみが滲み出ている。ワルターのために編成されたオーケストラではあるが、楽員の全てが優れた演奏者であったことは言うまでもない。 第2楽章。ワルターの演奏には良い意味での軽やかさがあり、従ってこの楽章でも必要以上に重々しくはならない。「葬送…

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ベートーヴェンの 交響曲第6番「田園」・ 「コリオラン」序曲をワルター指揮のLPで聴く

2022年9月以来の鑑賞。  気持ちが安らぐような音楽を聴きたいと思うとワルターの演奏が思い浮かぶ。手に取ったのは「田園」。この曲だけはLPで十分だと思い、それ以来買い直していない。LP特有の音の柔らかさ、聴き疲れしない音質はこの交響曲にこそふさわしい。  第1楽章を聴いて、ワルターの虚飾のない演奏は愛聴盤であり、その座は譲れない。  第2楽章も、力みのない演奏から紡ぎ出される音楽は、豊か…

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モーツァルトの 交響曲第35番「ハフナー」・ 第36番「リンツ」をワルター指揮のLPで聴く

2021年11月以来の鑑賞。 ジャケットに記載されたカタログ番号からして、1970年代の後半に廉価盤の2枚組として発売されたのだろう。 交響曲第35番「ハフナー」。 愛聴盤はもちろんワルター。第1楽章の間然としたところがなく、それでいてチャーミングな演奏を聴くだけですでに心奪われる。 第2楽章のアンダンテは優美な旋律に酔いしれる。 メヌエットはスケール感のある音楽だ。トリオは優雅で繊細…

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LPで聴くワルター指揮のモーツァルト の交響曲第40番・41番

昨年7月以来の鑑賞。 第40番。 弦楽合奏だけで進む第1楽章。何度聴いても、あふれるばかりの美しさは毫も変わらない。 第2楽章のアンダンテは夾雑物を排したかの感がある。木管はあくまでも柔らかく、弦はいつまでもしなやかで、オーケストラは気品を纏う。 メヌエットの開始時のスケールの大きさに一瞬、驚きを禁じ得ないが、躍動するリズム、中間部の流麗ともいえる旋律、抑制の効いた金管(ホルン)はワルタ…