ベートーヴェンの 交響曲第6番「田園」・ 「コリオラン」序曲をワルター指揮のLPで聴く

2022年9月以来の鑑賞。
 気持ちが安らぐような音楽を聴きたいと思うとワルターの演奏が思い浮かぶ。手に取ったのは「田園」。この曲だけはLPで十分だと思い、それ以来買い直していない。LP特有の音の柔らかさ、聴き疲れしない音質はこの交響曲にこそふさわしい。
 第1楽章を聴いて、ワルターの虚飾のない演奏は愛聴盤であり、その座は譲れない。
 第2楽章も、力みのない演奏から紡ぎ出される音楽は、豊かで、時に清澄ですらある。とりわけ、フルート、オーボエ、クラリネットの音色の深みのある美しさは筆舌に尽くしがたい。誇張や受けを狙う気配は皆無で「小川のほとりの情景」