「古事記」の日記一覧

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稗田阿礼は実在の人物でない(私論)

稗田阿礼(ひえだ の あれ、生没年不詳 7世紀後半から8​世紀初頭)をご存じの方は少ないでしょう。記憶力はずば抜けており、その聡明を買われ「古事記」編纂者の一人とされていますが、調べると怪しい点が多い人物です。 私論ですが「稗田阿礼は実在の人物ではなく、藤原不比等の隠れ蓑である。」『日本書紀』と『古事記』は独裁者・藤原氏に有利に編纂するだろうと誰もが推測するでしょう。そこで不比等は編纂に口出し…

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因幡のワニはサメなのか 稲作の伝播からワニを考える 前編

因幡のワニはサメなのか 稲作の伝播からワニを考える  前編 ワニがワニではいけないか  さきに「因幡の兎は白いのか」について調べていたときに、途中からワニのことが気になりだしていた。というのも、いくつかのテキストや文献で素兎のことを調べていくと、その話に登場するワニというのはサメのことだと説明しているものが多いからだ。どうしてワニがワニであってはいけないのか。『古事記』以外に『日本書紀』…

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因幡の兎は白いのか 後編

動物の色の表現と祥瑞  そのほかにおもに白だが、動物が色の表現を伴って『古事記』に現われる現象には、つぎの例がある。 オホナムジ(大国主命)の話に赤い猪。赤い猪というのは実は真っ赤に焼けた大岩で、それが山の上から落とされてオオナムジは死んでしまう。  ヤマトタケルの話に白い鹿。ヤマトタケルが東国から都へ帰るとき、足柄で坂の神の化身である白い鹿が現われる。邪気を祓うとされる野蒜を投げつけると、目…

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因幡の兎は白いのか  前編

因幡の兎は白いのか 「うさぎ は もと の、しろうさぎ。」  早朝散歩をする平井川に、一箇所だけガマの生育地がみつかった。平井川は多摩川の支流で、よく歩く範囲は合流点から遡って草花公園までの3kmであるが、平井川沿いではいまのところこの一か所にしか見つかってない。  ガマといえば思い出すのは因幡の白兎の話。♪蒲の穂綿にくるまれば、うさぎはもとのしろうさぎ♪ 歌の出だしを思い出せないので『日本…

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記紀神話のエピソード その1 そもそも なぜスサノヲは暴れるのか 古代において、ケガレとは何か ―高天原におけるスサノヲの行為が意味するもの―

記紀神話のエピソード その1 そもそも なぜスサノヲは暴れるのか 古代において、ケガレとは何か ―高天原におけるスサノヲの行為が意味するもの―  小学館日本古典文学全集『古事記 上代歌謡』(p73)から読み下しと口語訳です。 其(そ)の泣く状(さま)は、青山は枯山如(からやまな)す泣き枯らし、河(かは)海(うみ)は悉(ことこと)に泣き乾(  ほ)しき。 その泣く有様は、青々と草木の生…

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『古事記』(池澤夏樹訳)を読んだ

今年は日本の古典を読むつもりなのだが、まずは池澤編「日本文学全集」の第1巻の古事記から始めることにした。 古典は高校の時から苦手だった。昔の言葉が分からない。分かりそうで分からない。同じ日本語なのにと思って古語辞典を引くが、文法も分からない。外国語のようで外国語のようにも対処できない。とにかく面白さが全然わからなかった。 ちなみに、池澤編の「日本文学全集」は古典に関してはすべて現役の作家による訳…

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古事記・(日本書紀・万葉集)        日記 2033

表題の内、まず【古事記】を読んだ。 むろん、現代語訳でだった。 平成二十四年版、ホテルで無料で配られたものでした。 現存する最古の歴史書です。天皇を知る事を、妙に勘ぐる時代は過ぎた時代となりました。 近年の天皇家を知るにつけ、身近さからの気配だからでしょうか。ならば、【古事記】も親しめるコトとなった。 🔶参照資料🔶 『 古代史現代誤訳 』 ➡検索 数々の著者を選べます。 写真③:明治天皇…

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福永武彦「現代語訳古事記」

 古事記自体が上中下巻に分かれており、上巻が神話世界、中巻・下巻が天皇記になっている。上巻が一番面白い。イザナギノミコトとイザナミノミコトの話。イザナミノミコトが亡くなってしまい、イザナギノミコトが妻恋しさに黄泉国に亡妻を訪ねていくが、そこは死の国、亡妻は腐乱しており、それを見たイザナギノミコトは恐ろしさに逃げ出す。イザナミノミコトはそれを怒って追いかけるが、ついに追い付かずイザナギの国の人間を…

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高天原

茨城県筑波山をご神体とする筑波山神社のご神体は古事記に出てくる伊邪那岐命と伊邪那美命である。山頂には二神が降り立った「天の浮橋」と名付けられた場所があり、山頂から少し下った岩場は「高天原」と呼ばれる。(以上産経新聞) 権禰宜によると高天原と筑波山のの関係は奈良時代に口承されていた伝えられている。上記、古事記のことに違いない。 ここまで読んで、はっと過去の記憶に思いが走った。 茨城県日立市の一…

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[天皇]40-2 古事記と日本書紀は、なぜふたつなのか

天皇シリーズ、天武天皇の番外編です。 「記紀」はいかにして成立したか という本を読みました。 古代の歴史を考えるにおいて欠かせない、古事記と日本書紀 このふたつは、天皇に言われて作成された公の歴史書 当然自分に都合の悪いことを書く訳ありませんので かなり片寄っていることは否めません。 ところがほぼ独占状態でこのふたつに頼る以外に、古代を知る術がほぼ無い 歴史書って、勝ち側は負け側の持つ歴…