「中山七里」の日記一覧

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冤罪の結末

 中山七里の「テミスの剣」を読了した。著者はミステリー作家で、2009年に「バイバイ、ドビュッシー」で第8回このミステリーがすごい!大賞を受賞し、同作を改稿した「さよならドビュッシー」で作家デビューしている。本書は、司法制度と冤罪をテーマにした社会派ミステリー、警察小説である。  本書の主人公の渡瀬は物語開始時の昭和59年には埼玉県警浦和署強行犯係の刑事で巡査部長であったが、平成24年には同県…

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音楽家と法曹のはざまで

 中山七里の「さよならドビュッシー」を読了した。著者はミステリー作家で、2009年に「バイバイ、ドビュッシー」で第8回このミステリーがすごい!大賞を受賞し、同作を改稿した本書で作家デビューしている。本書はその受賞作で、火事により大火傷を負ったピアニスト志望の女子高生を主人公とした音楽ミステリーである。  ピアニスト志望で十五歳の香月遥とその従姉妹の片桐ルシアは、名古屋の資産家の香月玄太郎の孫で…

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デヴュー作、中山七里著「さよならドビュッシー」読んだ感想

映画「守られなかった者たちへ」を見に行って、 珍しく原作者が気になった。社会派ミステリーの 松本清張氏や東野圭吾氏の描く作品のように、犯人の動機に、同情と悲哀を感じたからだ。 次女に話すと、中山七里さんは、今乗りに乗ってる 小説家で月に8本とか連載を抱えてる超売れっ子だったし、デビュー作の「さよならドビュッシー」は、 ドラマになったのをネットしながら、チラ見してた。 大やけどを負った女子高生…

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【読書】「護られなかった者たちへ」「総理の夫」・他

  今日は最近読んだ本8冊、ご紹介します。 (1)「禁断の魔術」(東野圭吾・文春文庫)   この作品は、ガリレオのニックネームを持つ帝都大学物理学准教授の湯川学が、大学時代の親友草薙刑事やその部下の内海薫刑事らとともに活躍するガリレオシリーズの第8作であるが、第7作「虚像の道化師」の中の1編「猛射つ」を長編化したものである。湯川学の高校の物理研究会の後輩、古芝伸吾は、幼くして両親を亡くし、姉の…

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1年ぶりの読書 「マスカレード・ナイト」他

  ほぼ1年間、活字が読めず、読書を全くできませんでしたが、最近やっと1年ぶりにぼちぼちと読書を再開し、軽いミステリー小説を8冊ばかり読んだので、今日はこれらについてまとめておきました。 (1)「マスカレード・ナイト」(東野圭吾・集英社文庫)   「マスカレード・ホテル」「マスカレード・イヴ」に続くシリーズ第3作。ホテル・コルテシア東京では毎年恒例のカウントダウンパーティが行われるが、その会場…

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43、『連続殺人鬼カエル男』(中山七里著)は精神障害者の殺人や刑法を提起する

『連続殺人鬼カエル男』 中山七里著 宝島社文庫 2011年2月18日発行 ー中山七里の著書は2冊目である。この作家は独特の筆致で、現実の問題を細かにリアルに描いていて、歴史探究のリアルな作品を読むのと同じように、読み辛く疲れる。だけど、厳しく描いていて読了すると、その描かれたテーマに圧倒され、考えさせられ感動する。 ー立花志郎。  埼玉県警。古手川和也。渡瀬。  荒尾礼子。斎藤勤。桂木禎一。  …

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36、『さよならドビッシー』(中山七里著)は久しぶりに感動した新作だった

『さよならドビッシー』 中山七里著 宝島社文庫 2011年1月26日発行 ーこの中山七里という作家も、ラジオ深夜便で、話をしているのを聴いて興味を惹かれ、読んでみようと思い、ブックオフで、この著作の文庫本を買って読んだ。現代を描いた小説では、思いがけなく面白く感動させられた。登場する人物に興味をそそられた。彼らの生き方も共感できた。 ー鬼塚先生。  岬洋介さん。  香月遥さん。  片桐ルシアさん…