2019年05月16日(木)13:41 会員以外にも公開 『〜』 武士の家計簿(2010) ◆二兎のどちらも中途半端が惜しまれるが 13日(月)の晩にNHK BSプレミアムで放映されたのをリアルタイム観賞。以前に宴の「タイ」のくだり前後だけ見ていたが、全体通しては初見。原作(画像3)未読。 江戸末期、加賀藩の「御算用者」を担う猪山家8代目・直之とその息子の成之ら(実在した家族)が藩の疑獄に巻き込まれたり、武士のメンツをかなぐり捨てて一家の借財の精算に取り組むうちに、明治維新の波が押し…
2019年04月23日(火)13:14 会員以外にも公開 『〜』 ザ・ウォーク(2015) ★煙みたいに登りたがるピュアなるナントカの性 昨夜(22日・月)、NHK BSプレミアムで放映されたのをリアルタイム観賞。初見。 綱渡りを得意とするフランスの若き大道芸人が、1974年に竣工するNYのツインタワー(WTC)の間で地上400mの綱渡りをしたいという奇天烈な夢に取り憑かれてしまう。危険、無謀、そして違法なアドベンチャー計画の顛末を描くノンフィクション冒険サスペンス。原作はそれをやっ…
2019年04月16日(火)13:16 会員以外にも公開 『〜』 チェンジリング(2008) ★大熱演の「母は強し」 昨夜(15日・月)、NHK BSプレミアムで放映されたのをリアルタイム観賞。以前の放映時に途中まで観たのだが、後半は初見であった。 1928年、LAのワーキング・シングル・マザーの息子が行方不明となって、数か月後にイリノイで発見されて帰って来たもののそれはどう見ても別の少年。母親は錯乱するも市警は解決済みと取り合わず、事態が思わぬ方向へと発展する社会派スリラーだが、何と…
2019年03月28日(木)21:34 会員以外にも公開 マボロショ テレビはあった方がいい? 今日は、いいお天気で、外仕事が、かなりできました。 BSシネマの「山猫」は録画しておいて、あとから見るつもりです。 先日の「椿三十郎」について、つばきさんに聞いてみたら、テレビは持っていないから、見ていません、とのこと。持たない主義なのでしよう。くだらん番組が多いので、理解できないこともないのですが、私は、面白い番組もあるので、持たないよりは、持っていて、つまみ食いみたいに、いいとこだけ見た方が…
2019年03月19日(火)12:38 会員以外にも公開 『〜』 ブリッジ・オブ・スパイ(2015) ★ひとこと「それが何の足しに?」のすごさ 昨夜(18日・月)、NHK BSプレミアムで放映されたのをリアルタイム観賞。初見。 冷戦さなかの1957年、FBIに逮捕されたソ連の老スパイを断罪する形式的な裁判で弁護人を引き受けた男、ジェームズ・ドノヴァンが味わう苦悩と、その後の思わぬ運命を描く実録エスピオナージ歴史ドラマ。 重厚! 面白過ぎる! だが、なぜ今このネタなの? と正直、思わないでもない…
2019年02月14日(木)12:13 会員以外にも公開 『〜』 3月のライオン 後編(2017) ★そして伝統(ホームドラマ)へ 11日(月・祝)の晩、NHK BSプレミアムで放映されたのをリアルタイム観賞。初見。前編は先週(4日)に観賞済みで、詳細は既報 https://smcb.jp/diaries/7901167 のとおり。 新人王を獲得した高校生プロ棋士・桐山零が、公私にわたり、さらなる試練に挑む姿を描く青春ドラマ。羽海野チカによる長期連載マンガの実写映画化。 丁寧に良心的に(学校…
2019年02月05日(火)15:06 会員以外にも公開 『〜』 3月のライオン 前編(2017) ★モダン人生劇場はとにかくこじらせている 昨晩(4日・月)、NHK BSプレミアムで放映されたのをリアルタイム観賞。初見。原作コミックは数話目を通した程度だが、家人が熱心に視ていたアニメ版を半分くらい横から覗いていたので、大体は把握している。ちなみに家人は、すてきなおじさまがたくさん出て来るから好きなアニメだ、とのこと。ほほう。 リアルに描かれた将棋界を舞台に、複雑な生い立ちを持つ高校生プロ棋…
2019年01月22日(火)13:30 会員以外にも公開 『〜』 それでも夜は明ける(2013) ★虐待される黒い貴石たち 昨晩(21日・月)、NHK BSプレミアムで放映されたのをリアルタイム観賞。初見。 1840年代、ワシントンで拉致誘拐され、ルイジアナ州のプランテーションに奴隷として売られてしまった自由黒人のバイオリニストが、味わった長年の辛酸を記した自伝を映画化した歴史ドラマ。 南北戦争以前(ときには以降)の米国の「ニガー」の境遇をリアルに映し出した問題作はすでに数々あり、そこにま…
2019年01月05日(土)17:58 会員以外にも公開 『〜』 マリーゴールド・ホテルで会いましょう(2012) ★極上の印魂英才 一昨年の7月にNHK BSプレミアムで放映された際の録画データをHDから発掘し、一昨日(3日・木)の昼頃にようやく観賞。初見。 英国から、様々な事情を抱えた7名の老人たちがやって来たインドはジャイプールのリゾート・ホテル、釣られた宣伝文句とは大違い、廃墟寸前のボッロボロだった。加えて異郷の街の活気と野性味に戸惑い、翻弄されっぱなしの爺さん婆さんたちが演じる悲喜劇を描くエキゾチ…
2019年01月02日(水)17:51 会員以外にも公開 『〜』 ハドソン川の奇跡(2016) ★偉業の真の価値は凡人のモノサシの届かぬ高さにある 一昨日(31日・月)の昼頃、NHK BSプレミアムで放映されたのをリアルタイム観賞。初見。2018年の映画納め。 2009年1月、離陸中のバード・ストライクで両エンジンが停止したエアバスA320を神業的にハドソン川に緊急着水させて乗務員・乗客全員を生還させ、一躍英雄扱いされてしまった機長が、本当は空港に戻れたはずだと指摘され、公聴会で審問され…
2018年11月24日(土)15:18 会員以外にも公開 『〜』 おとうと(2010) ★裏返された寅さん 昨日(23日・金・祝)の昼過ぎ、NHK BSプレミアムで放映されたのをリアルタイム観賞。初見。 東急池上線沿線の商店街で小さな薬局を営みながら女手ひとつで娘を育て上げたけなげで立派過ぎる姉と、善人なのだが甘え切った「人として」ダメ過ぎる風来坊の弟の絆を巡る家族ドラマ。 山田洋次監督作品にしては脚本が説明的だったり生硬で、吉永小百合様のお芝居にも少々生煮え感があったと思うのだ…
2018年10月02日(火)13:56 会員以外にも公開 『〜』 トゥモローランド(2015) 昨夜(1日・日)、NHK BSプレミアムで放映されたのをリアルタイムで観賞。初見。 世界を代表する天才やエリートの集団が秘密裏に作り上げていた先進ユートピアに招かれた半世紀前の発明少年と現代の宇宙好き少女が、世界の危機を救おうとする「実写ディズニー」のファンタジーSFアドベンチャー。「カリブの海賊」に続いて、テーマパーク・ネタを映画にしてみた。 東京ディズニーランドにもあるスターツアーズやスペー…
2018年09月23日(日)21:41 会員以外にも公開 『〜』 スワンの恋(1983) 14日(金)の深夜にNHK BSプレミアムで放映された際の録画を、昨日(22日・土)の午後に観賞。初見。マルセル・プルーストの原作には、触ったこともない(苦笑)。 19世紀末パリの社交界で花形を張るユダヤ系の資産家青年が、高級娼婦に心を奪われ、恋のかけひきとさや当てに翻弄される人生ドラマ(ヒューマン・コメディ)。 とにかく眼に映るもの、パリの街並みが、建物が、調度が、上流人士のコレクションの数々…
2018年08月28日(火)13:01 会員以外にも公開 『〜』 アリスのままで(2014) 昨晩(27日・月)、NHK BSプレミアムで放映されたのをリアルタイムで観賞。初見。 コロンビア大に勤務する著名な女性言語学教授が突然若年性アルツハイマー病を発症、進行する症状に苦悩する本人と家族の姿が描かれる難病ドラマ。 まずはポスター詐欺(画像1)を指摘せねばなるまい(苦笑)。これではまるで、頭に消しゴムがあったり、何十回もファーストキスをしそうではないか。そういう方向性の映画ではないし、旦…
2018年07月24日(火)12:18 会員以外にも公開 『〜』 アンコール!!(2012) 昨夜(23日・月)、NHK BSプレミアムで放映されたのをリアルタイム観賞。初見。 ロンドン郊外に住まう70代老夫婦、偏屈・頑固者の夫は息子とも疎遠で孤独、対する妻は病弱ながら開放的で、夫が疎ましく思う愉快な熟年コーラス仲間にも愛され充実の輝く余生を送る日々。だが、その妻が余命宣告されて……その後の顛末を描く老人コメディ・ドラマ。 まず、この邦題はヒドい。内容と全く関係がない。何もアンコールしな…
2018年07月17日(火)13:31 会員以外にも公開 『〜』 フューリー(2014) 昨夜(16日・月祝)NHK BSプレミアムで放映されたのをリアルタイム観賞。初見。 1945年4月、欧州西部戦線の最終局面、独軍の猛烈な抵抗に遭って奮戦する歴戦の米陸軍M4シャーマン戦車「激怒号」と乗員の運命を描く戦争映画。 戦車戦を、戦車兵を、戦車そのものをここまで具体的かつ詳細に描いた映画はかつてなく、実に画期的。だが中身の方は「新兵教育映画」のテンプレ、終盤はまるで西部劇(*)で、「エンド…
2018年07月10日(火)12:54 会員以外にも公開 『〜』 スーパー・チューズデー ~正義を売った日~(2011) 昨晩(9日・月)、NHK BSプレミアムで放映されたのをリアルタイム観賞。初見。 2004年の民主党大統領予備選挙に出馬したオハイオ州知事を裏側から支える選挙プロ(コンサルタント)たちの暗躍を描くスキャンダラスなポリティカル・サスペンス。原作は、本物の選挙屋が書いた暴露本的戯曲らしい。 マスコミ大衆時代の選挙というものが、ともすれば候補者自身の人格や政見よりも、抱えた選挙プロたちのイメージ戦略の…
2018年07月03日(火)13:17 会員以外にも公開 『〜』 武士の一分(2006) 昨晩(2日・月)、NHK BSプレミアムで放映されたのをリアルタイム観賞。初見。 「たそがれ清兵衛」(2002) https://smcb.jp/diaries/7716625 と「隠し剣 鬼の爪」(2004) https://smcb.jp/diaries/7721510 に続く山田洋次監督による藤沢周平時代劇トリロジーの三作目。幕末、東北の弱小藩でつつましくのんきに殿様の毒見役を務めていた侍…
2018年06月26日(火)11:44 会員以外にも公開 『〜』 隠し剣 鬼の爪(2004) 昨晩(25日・月)NHK BSプレミアムで放映されたのをリアルタイム観賞。初見、原作未読。 幕末、東北のある弱小藩でワケあって窓際勤務を強いられているひら藩士に、江戸で謀反の企てに加わった友人(一刀流の秘技伝承を競った兄弟弟子)を斬れという無茶ぶりな藩命が下る。山田洋次監督による藤沢周平時代劇の二作目。 これは先週観た「たそがれ清兵衛」 https://smcb.jp/diaries/77166…
2018年06月20日(水)14:24 会員以外にも公開 『〜』 たそがれ清兵衛(2002) 一昨日(18日・月)の晩にNHK BSプレミアムで放映されたのをリアルタイムで観賞。初見、原作(藤沢周平の複数の短編がアレンジされている)も未読。 幕末、庄内地方の弱小藩で極貧暮らしの小役人に、なまじ腕が立つばかりに降ってわいた理不尽な上位討ちの命の災難。山田洋次監督の初の渾身の本格ヒューマン時代劇。 これはもう芸術品というか文化財というか。リアルを極めたディテールの積み重ねから浮かび上がる、現…