今回のスタートは尋常ではない。長谷川平蔵が寝込んでいるのである。年中昼夜を問わないお役目に、さすがの平蔵も疲労が蓄積してひたすら寝込んでしまう。そんな間にも事件は起こる。2日ほど寝込んだ翌朝には早朝から早速動き出す。単に役目だからではなく、火付盗賊改方長官が無性に性に合っているのだ。だから、世情の情報を取るために私財も吐き出しており、その献身ぶりに部下の者たちも身を粉にして働き、かつての盗賊た…
新年の映画鑑賞の後、次はこの映画をと決めていた。時代劇で「池波正太郎」原作の仕掛け人「藤枝梅安」である。 池波正太郎の作品はどれもお気に入りで、何時も旅のお供であった。その作品を映像化したものも観るのが楽しみなのである。 最近は映画の封切りは全国同日開催である。初日の二番目に出かけた。 この作品の映画化はまだ登場人物が確定していないうちから制作が始まったという事で、こ…
人というのは おのれの長所を 隠すことをくふうしなければ いかぬよ それでないと おまえは じぶんの長所のために 身を亡ぼすであろうことになろう 池波 正太郎 ??? 今一つ 分からない。 長所を自慢するでもないのに 人に知られた時点で なにか 自分に 不都合が起きる から? 器用貧乏 って言葉もあるなぁ 知られた時点で 嫉妬されるから?
著者は東京下町の生まれ、両親が離婚し、母親に育てられた。どちらかと言えば貧しい家庭のはずだが、下町の家庭はどこも似たようなもの。小学校を卒業すると今なら証券会社の外交員になり、そこそこ稼いだようで若いながらもいいものを食べている。貧乏性の私には今でも料亭など近寄ることもない。著者が生きたのは戦前、戦後の前半でまさに昭和の時代。著者の食通は孤独のグルメとは異なる、下町の人情も濃厚に絡んでいる気が…
鬼の平蔵は縦横無尽、融通無碍。残虐な悪党は手足を切り落としなぶり殺しにするかと思えば、発達遅滞の亀吉には1点の曇りもない純真な笑顔で笑いかけたりする。元盗人でも、今は足を洗って余命半年もない万三には目こぼしをして、よい最期を迎えろと声をかける。女の素性を探るために、自ら浪人風の身なりをして昼から料理茶屋で酒を飲み、うたた寝までする。何より、盗人の一味の者さえその人柄の魅力により、何人も密偵とし…
見合い結婚を避けるために田舎を出て、東京で洋裁学校に通っていた頃のこと。 別に洋裁が好きなわけではなかった。 というか実は大嫌いだった。 けど口実が必要だった。 ファッションの勉強は東京でなくてはと主張し、田舎にも洋裁学校はあるという親の勧めを振り切って出た。 50何年も昔の話です。 その学校で知り合った女友達の一人は茨城から通っていた。 十二単が似合いそうな色白のぷっくりした小柄な女性。 手…