さんが書いた連載社会心理学徒への道の日記一覧

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ニューカム・ターナー・コンヴァ―ス『社会心理学:人間の相互作用に関する研究』岩波書店、 1973.の翻訳に関わる苦労話など(1316)

今(2020年3月19日)、暗いニュースばかりで満たされている。あの新型コロナウイルスの感染は、恐るべき世界的広がりを見せている。  日本だけに限っても、都道府県別に、感染者数、死亡者数などが連日報じられている。  不要不急な外出はしないように、と言われてもいる。各種のイベントなどは次々に中止ないし延期に追い込まれている。学校すら休校だ。  経済に及ぼす影響も甚大だ。もちろん、ひとり航空業界・旅…

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ある小文の執筆依頼を受けて(1267)

wakohのような者でも、かつてはいくつもの原稿を抱えてあたふたしていたものだ。けれども、リタイアし、加えて思いもかけなかった進行がんの手術などもあって、すっかり引っ込んでしまった。  専門の心理学、社会心理学、教育心理学は日進月歩だ。最新の状況にはとてもついてはいけない。心理学関係のいくつもの専門雑誌は、70歳からはずっと謹呈に与っている。名誉会員乃至終身会員に推されてしまったからである。けれ…

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ある読書の課題(1247)

wakohはかつては読書はいわば仕事だった。次から次へと原書の山とも格闘していたものだ。  一向に苦ではなかった。それが当たり前だった。  ところが、今やそれとは隔世の感がある。  今でもなお、時々貴重な書物をご恵投に与っている。有難いことだ。  けれども、すっかり読書のスピードが落ちてしまっただけではない。理解力も落ちてしまっているようだ。前に戻って読み直したりもすることすらある。  積読の書…

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日本社会心理学会第60回大会(1246)

此処の場は、「趣味人倶楽部」であって、専門を論じる場ではない。  それにも拘らず、今書こうかとしているのは何故だろうか。  学会は、それぞれの専門分野の研究発表の場であって、趣味の問題ではない。  けれども、社会心理学会の場合、取り上げる研究対象は社会心理現象であることが多いので、その意味では、研究者でなくても十分に関心を持って臨めるかもしれない。  殊に今回の大会では、学会の大会準備委員会の…

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東京大学教育学部創立70周年記念式典・シンポジウム・祝賀会(1242)

昨日、こんなタイトルの会があった。wakohにとっては意味のある会だったけれども、こんなことを詳しく書いても、致し方なかろうか。ただ、お気に入りさんになって下さっておられる方の中には、wakohの歩みに関心を持って下さる方もおられるかとも思うので、その限りで触れることは許されるかもしれない。  既に度々触れているように、wakohが東大に入学したのは、戦後学制改革で新制大学が誕生した2年目だっ…

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日本教育心理学会第61回総会へ(1210)

この時期、心理学の関係諸学会は学会シーズンだ。一口に心理学と言っても、その領域は広く、随分沢山の学会が林立している。その諸学会は、事前に開催の時期・場所・会場などを調整に努めて、ダブらないようにしている。ということは、現役で研究活動に活躍中の人は、あちこちでの発表をすれば飛び回らなくてはならない。  何と言っても、学会の大会乃至総会は、研究発表の場である。それとともに、もちろん研究に基づいてでは…

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同時に2つの異なったイベントに参加は出来ない-学会からチャーチコンサートへ(1081)

歳を取って、することがなくなってとか、無為に日を過ごすとか言われることがあるかもしれない。  wakohは「歳を取って」の部分はまさにその通りなのだが、それ以下の部分は適合しない。  それどころか、かつてのように敏捷には動けなくなってきている所為もあってか、要領が悪いためにか、未だになすべき多くの課題に取り囲まれて、それを適切に処理できずにいることが多い。  いずれにせよ、同時に2つのことを遂行…

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ある懇談会への招待を受けて(1075)

タイトルを書いてみた。だが、ここでの日記としてはどうも不適切のようでもある。そんなことで逡巡してうちに数日間経ってしまった。だが、自分の記録ではある。  また、お気に入りさんになって下さっておられる方々の多くは、今までの間に、ハンドルネームではあっても、どんなことをしてきた人間かは、漠然とはご存じ下さっておられるかもしれない。それに、それをも受け容れて下さっておられよう。偉そうだとか、生意気だと…

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また日記をお休みしていたのは―久々の学会出席などなど

またもや日記をお休みしていた。殆どの方にとっては、もちろん痛くも痒くもないであろう。どうぞご勝手にかもしれない。  このwakohのことを多少なりともご存じ下さっている方の中には、あるいはwakohの体調の前歴や年齢なども考慮して、どうかなっているのかと気になさって下さっているかもしれない。  いずれにせよ、実は以下のことが実際にあった。それに多少なりとも関わっていたのではあった。  wako…

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東大社会心理学研究室・新社会心理学コロキウム

wakohはこの処日記を書く頻度も少なくなってきているのみならず、自分の専門のことは殆ど書かなくなってきてしまっていた。書くことと言えば、趣味として掲げる、「大相撲」と「クラシック音楽鑑賞」くらいのことだ。  そんなことであれば、別に論争だとか、言いがかりのようなけちや批判などには、巻き込まれなくとも済む。  だから、ついホットな問題についての感想や考察などをすることは避けてきていた。  それに…

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社会心理学研究室創設40周年の集い

wakohはこの「趣味人倶楽部」の中で、ある方の強いお勧めもあって、「我が家の履歴から」に続いて、「社会心理学徒への道」をも「連載」した。昨年9月まであった「トンがりさんコラム」では、24回までを一区切りとする「連載」が認められていたからだった。  さらに、それに続いて「続・社会心理学徒への道」も、間歇的にではあるにせよ、書き進んでいたところ、この「趣味人倶楽部」が大リニューアルされることとなり…

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東大に行く―「新・社会心理学コロキウム」への出席

wakohはリタイヤしてから久しい。帝京大学を退職してからも9年に近くなる。東大を退官してからは、もう25年にもなる。  その上、思ってもいなかったがんに侵されてしまったためもあり、益々wakohの世界は狭くなってしまった。それに、退官した者は研究室に足を踏み入れないといったいわば不文律めいたものもある。  そんなあれこれもあって、wakohは東大まで普段は行かなくなってしまっている。だが、入学…

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第24回 社会心理学徒への道24.親子関係に社会心理学の手法で迫れば

前の日記、「社会心理学徒への道23.国際心理学会議でのデビュー」は殆ど人の目を惹かなかった。わずかにお一人の方がコメントしてくださり、もうお一人の方が、メールで仰って下さっただけだった。その2つとも、時間をかけて仰って下さったのだから、その点では、有り難い。  けれども、wakohにとっては、極めて大切なことを、wakohとしてはある程度時間をかけて記したのに、この為体である。もう黙るしかないか…

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第23回 社会心理学徒への道23.ICUでの教育と研究の中から―国際心理学会議でのデビュー

どうもこの連載は行きつ戻りつだ。「社会心理学徒への道22.」では、ほんの数日前の「東大での社会心理学コロキウム」に出席しての感想などの一端を記した。それだけではない。この「趣味人倶楽部」でのwakohの「連載」6つを取り上げ、他の5つとの関わりで、「社会心理学徒への道」が、wakoh自身にとってはどんな意味を持つものだったかにも触れた。  それは、wakohにとっては、「社会心理学徒」からの退路…

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第22回 社会心理学徒への道22.無意識的な社会的同調

余りご覧くださる方は多くはないであろうことを承知の上で、敢えてタイトルのような問題に触れることにする。  しばらくは、一見タイトルとは無関係であるかのようなことを記すかもしれない。  wakohはこの「トンがりさんコラム」で、欲張って(?)6つもの「連載」のタイトルを掲げてしまった。  そのうちの一つ「時事問題(についての対処の在り方)」を取り上げた場合には、この「趣味人倶楽部」の中でも、相当…

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第21回 社会心理学徒への道21.「社会心理学会第56回大会」への出席が叶った!

wakohは「連載」の一つとして、「社会心理学徒への道」を掲げてある。その最新回は、10月12日「社会心理学徒への道20.帰国・ICUの新米教員へ」だった。それからほぼ丸1カ月経ってしまった。1964年の時点のことである。それ以降、この「連載」に関しては、ずっと休載したままの状態が続いていた。  それからすれば、なんと半世紀以上経ってしまっている。  ところが、いまタイトルに掲げた大会は、今年1…

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第14回東京大学ホームカミングデイ

今日10月17日(土)は、タイトルに掲げたように、「第14回東京大学ホームカミングデイ」だった。 東大はどうも母校愛が乏しい傾向があったのではなかろうか。だが、「ホームカミングデイ」が設けられるようになって、今年で第14回目だという。始まった当初は、wakohはまだ帝京大学の専任教員だったから、そんな催しに参加することなどできなかった。それに6年半前からは、がん、それも進行がんの患者になってしま…

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第20回 社会心理学徒への道 20.帰国・ICUの新米教員へ

wakohがこの前に社会心理学徒への道を書いてから、もう1カ月以上経ってしまった。丸4年間に及んだアメリカ留学から帰国したのは、1964年7月28日だった。  4年間の間には、我が国の戦後の復興はかなり進んでいた。もう戦後ではないといった主張もされるほどになっていた。  それを象徴する出来事の一つは、東海道新幹線の開通であったろう。それから、すでに半世紀以上、その間、殆ど事故らしい事故もなく現在…

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第19回 社会心理学徒への道 19.留学生の南部旅行 家族での東部旅行など 帰国への道程

イリノイ大学留学中の4年間は、結局は主として研究・勉学(研学)に終始した感がある。  wakohはそう旅行が好きだったわけでもないし、時間的な制約が大きかったし、経済的にも余裕があったわけではないし、はじめは一人で留学したのに、帰国までには家族は4人に増えてもいた。だから、アメリカ中を旅行して回るなどとは想像もできなかった。  だからと言って、大学の中に籠りきりだったわけではない。時には、招か…

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第18回 社会心理学徒への道 18.イリノイでの研学がその後の進路に与えた影響?

4年間にわたったイリノイ大学大学院での研究・勉学は、幸いPh.D.の博士学位号を授与される形で終えることができた。しかし、これは終わりではなかった。次の段階への門出であった。  実は、既に1963年晩秋には、恩師岡部弥太郎先生の格別のご高配の故であったろうが、国際基督教大学では、専任講師としての着任が確定していた。今まで、このことは一度も口外したことはなかったが。もちろんのこと、専任教員としての…