さんが書いた連載庭の草木・草花などの日記一覧

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生活空間の狭小化と庭の老紅梅の鑑賞(1656)

 wakohは、還暦までは、研究者として、また院生などの指導者として働いてきた。本務校のみならず、請われて、いくつもの大学にも非常勤講師として出向いたりもしていた。地方の大学にも、集中講義の形で出向などもしていた。  だから、学界という狭い独特な社会でではあるけれど、一応精一杯働いてきた。他の社会のことは知らないけれど、かなり繁忙を極めていたこともあった。  それから、16年間と言うものは、帝京…

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老紅梅 花開く(1449)

『わが道』を書きかけているのだが、突然日記の内容とは全く無関連な書き込みが入り、しかも執拗に何度も書きこまれてしまった。無視する、ないしは削除すればよかったのかもしれない。  どういう人間かは皆目判らぬままだ。一応チェックしてみた。入会したばかりの人のようだ。プロフィールにも、全く情報はない。  wakoh自身はオープンな人間だし、相手はある程度は知ろうとすれば知り得たはずだ。wakohの父のこ…

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秋(色)紫陽花のことなど(1426)

秋も深まってきた。あと一両日もすれば、11月だ。  「天高く馬肥ゆる秋」とか、「紺碧の空」とか、秋空を形容する言葉もいろいろ思い浮かぶが、その実、近頃の東京では、そういう秋晴れは非常に少なくなってきているのではなかろうか。  晴天とはいっても、曇り空のことが多い。ところが、少なくとも今日に関する限り、「雲一つない晴天」だった。心地よい暖かさで、冷たい風が頬を襲うこともなかった。  もちろん、子供…

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香りから橙色の絨毯へ―金木犀の華の命の短くて(1415)

僅か1週間前には、「金木犀の香りの中で曾孫と家内の誕生祝」(1412)という日記を記したばかりである。  例年にも増して、金木犀はよく咲いたように感じていた。あのふくよかな微香は心地よかった。  だが、それは短かった。台風14号の襲来の予報は外れたけれども、それでもある程度の風雨があり、温度も急に下がったのと相俟って、金木犀はあっという間に散ってしまった。  花の命は短くて、というのは、どの花の…

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庭の彼岸花の広がり(1410)

僅か1週間前に、雑草の生い茂った庭の中で、彼岸花が1本咲き出しているのを見かけた。時は彼岸の中日。自然の摂理と思うと、なんだかうれしく、他愛もないことだが「彼岸の中日に彼岸花」という日記をスケッチした。  それから1週間。庭の一隅が一面彼岸花になっている。育てたのでも何でもない。自生しているだけなのだろうか。  家内の手伝いに来てくれた娘が、家内と共に少し雑草を取り除いてみて、初めてはっきりと姿…

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お彼岸の中日に彼岸花咲く(1405)

この夏の炎暑には、年老いたwakohは些か堪えた。だが、それもようやく過ぎ去ったかのような、ここ2,3日の気候ではある。  前の日記で、4連休のことに触れた。それからすれば、今日は「秋分の日」である。またの名は「お彼岸の中日」でもある。  荒れ果てて、恥ずかしい限りだが、庭に出てみた。すると何と「彼岸花」が咲いている。ある方にお礼の肥やしをやるようにと、昨年ご助言いただいたのに、そうしなければと…

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ふき と 梅の実 ー 我が家の庭から(1360)

新型コロナウイルスの影響で、リタイアして久しいwakohでさえ、我が家にじっと籠っていることが一層多くなったような気がする。  つい先日、家内に言われて、詮方なく裏庭の梅の古木のふもとあたり一面に生えていた、雑草まみれの蕗をどうにか採った。腰が痛いなどと悲鳴を上げながら。そのことも日記に記した。(日記本文ではなく、1357の日記のコメント欄の中でなのですが。)    そして、昨日今日と、表の書斎…

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家じゅうが 花と塗り絵で 満開に(1323)

新型コロナウイルスの脅威はますます広がるばかりである。  小池都知事の、この週末外出しないようにとの要請に、東京周辺の5知事もまた同様の声明を出している。  世界中で、多くの代表的都市の封鎖が報じられてもいる。暗いニュースばかりだ。  緊急事態なのであろうか。  我が家でも、孫息子の東大入学(正式には4月1日なのだが)を祝って、親族だけでのごくごく細やかな祝宴の予約をしていたのを、キャンセルせざ…

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苔生せる 裏庭の梅 遅かれど 今や満開 慈しむ時(1307)

何時しか弥生とはなった。  生活空間の縮んできているwakohは、わが庭の草木・草花を愛でるようになってきている。  年初来、門の脇にある老紅梅を始めとして、書斎の目の前にある老白梅のことなどを、何とはなく取り上げてきていた。  だが、老紅梅は花散り、老白梅もそれに次ぎつつある。  時恰も、新型コロナウイルスの感染、その伝播、その拡大などで、暗い話題ばかりが多い。  今日3月2日からは、全国の…

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時到り 苔生す梅も 花開く(1300)

また梅のことに戻れば、読んで下さるごくわずかな方でさえ、いい加減うんざりされるかもしれない。  それでも、この時期はサクラではない。どうしても梅だ。  わが苫屋の雑然とした裏庭に、苔生した老梅のあることは、先刻報じたとおりだ。今までは恥じて触れなかったのだが、その苔は古さの象徴ではあるのかもしれない。  衰えて、花開くこともなくなるかと思いきや、5番目に最も遅れてではあるが、早春の日差しを受け…

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連想は さらに拡がる さはあれど(1298)

今年は、どういう訳か、梅の日記ばかりを書いてきた。それからの連想で、菅公・菅原道真に関わることを記すことになろうなどとは、wakohは自分でも予期してはいなかった。   すると、さらに思いは広がってくる。梅に因んだ、より切実な問題にまで。フットワークの良いというか、慎重さが足りず、やや衝動的なwakohはそれを日記に認めようかとした。  だが、流石に、それには慎重さが求められることに気付いた。う…

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梅づくしからの連想―菅公の 系図辿れば 行きつきぬ(1297)

このところ、梅に関わる日記ばかり書いてきたようだ。我が家のわずか5本の梅の木から、その花を愛でたり、その木の特徴などに眼がいったりしていた。  その関連で前々から思い浮かんでいたのは、菅原道真のことだった。  あの、誰一人として知らない人はいないほど有名な道真の短歌が思い起こされるのだった。  東風吹かば 匂ひおこせよ 梅の花 主なしとて 春な忘れそ  今尚、学問の神様として敬われる菅原道…

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見方では 恥も誇りと なる日あり(1296)

また、訳の分からぬようなタイトルが突然思い浮かんだ。  直接のきっかけは、行動範囲の狭まったwakohが狭い我が家の庭を見回しては、その時どきの植木、草花のことなどに思いを致すことにあるのだが。  政界では国家の浮沈にかかわるような大事が相次いでいるのに、未だに昨年の「桜を見る会」に関わる問題が、国会の、しかも予算委員会で、首相と野党の側の女性論客などの間で繰り広げられつつある。客観的資料や、…

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老梅の 苔生したるも 歴史あり(1295)

このところ、wakohの生活空間がますます狭まり、ここでの日記も、ごく身近なじかに触れられるような他愛のないことばかりが多くなってきているのも、あるいは致し方ないのかもしれない。  つい直前の日記で、wakohは狭い庭の5本の梅の木、梅の花のことに触れた。その中で、裏庭の老梅は、その幹に苔生していることにまで触れてしまった。手入れもせずに放置していることの結果かと、恥の気持ちを含めての表白だった…

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紅梅は 散れど白梅 満開に (1294)

花一つ、観ていて楽しめる。自然のプランか。年初来、目を楽しませてくれていた老紅梅は、満開も過ぎ、散り出し、それが著しい。  他方、老白梅は、少しずつ花開き、今や満開目前にまで迫ってきた。  目立たぬ2本のうち一方は散り出し、もう一方は咲き初めている。  裏庭に回ってみた。その老梅は根元の幹は苔生しているほどだ。それでも、何輪かは花開きかけている。  その根元近くには、蕗の薹が生えている。去年は何…

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 雨上がり 老白梅も 花開き 春の訪れ 目をぞ愉しむ(1292)

昨夜来の雨も上がった。急に快晴となり、温度も急上昇。春の陽気になった。  もちろん三寒四温ではあろう。  だが、年頭に花開き出した老紅梅は、もう盛りは過ぎている。でも爛熟の気味はまだある。  門を隔てて、老白梅がある。蕾が次第に膨らみ、少しずつ花開き出したかと思っていたら、昼からの春の陽気に、その老白梅は一気に花開き出した。  自然の営みには、ただただ驚かされるほどだ。  wakohの家には…

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立春に 老白梅も 遅れじと(1285)

国が主導してのカジノなどIRと称するギャンブルの導入、それを巡る中国企業の介入、それに群がる政治屋の汚職などなどに、この老爺は憂いのあまり、一言してしまった。気持ちのよいものではない。  時は立春。春の到来が待望される。我が家の旧く小さな庭に出てみた。新春以来、咲き続けている老紅梅の門を隔ててすぐ横にある、枝ぶりだけはよい老白梅は、少しずつ蕾が膨らんできていた。数輪咲き始めた。ほぼ一ヶ月遅れだ…

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寒中に 梅と蕗との 二重奏 (1273)

一つ手前の日記に、老紅梅のことを取り上げてみた。すると、お気に入りさんのお一人、誠実無比な素人農民さんが、コメントの中で、ご自分のお宅での蕗の薹のことにもお触れ下さった。それに気づいたのは、既に暗くなってからだった。そこで、REコメントの中で、明朝―つまり今日のことだが―それでは、裏庭を覗いてみたいと記したはずだ。  朝、裏庭―と言えるほどの庭ではもちろんないのだが―を覗いてみた。すっかり忘れて…

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雨上がり 水玉光る 梅二輪(1271)

天気予報は、ぴたりと当たるときもあるけれども、予報後の変化の故か、当らぬこと間々ある。今日は、東京では、4月のような陽気との予報だったが、それはすっかり外れた。午前中は雨模様だった。午後から雨は上がったものの、ぱっとしない天候だった。  普段は殆ど触れることすらしない、天気に触れたのは、実は、一昨日老紅梅が一輪咲き初めたのだったが、その後のことが気にかかって、覗きに出てみた。  すると、雨は上が…

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寒に入り 老紅梅や 咲き初めん(1270)

2020年正月もはや6日。数えで言えば、90歳になった。だが、なすところないままに過ぎてしまった感がある。  元旦礼拝に續き、昨5日は新年礼拝だった。聖餐にも与った。キリスト・イエスを主と崇め、父なる神を信じ、この世では明らかに少数派だろうが、残された日々を、この世の旅路をとぼとぼとではあっても、辿っていきたい。  もう寒の入りだとか。東京では、そう寒くはなく、過ごしやすい寒の入りではある。  …