大須賀乙字と角川源義
◆窓外に黒ずむ山や扇置く 源義(昭和八年) 石田波郷は『ロダンの首』の跋文で、 このやうに最初から完熟してゐる作者も珍しい。(中略)単に洒落た構図の句と言ひ棄てられさうな句だが、こゝにはる人生の一点が動きを止めて定着されてゐるやうなところがある。 と述べている。「窓外に黒ずむ山」とは、立山連峰。大須賀乙字の言う「二句一章」論を実践した初期の代表句。俳句の形を生涯大切にした源義の片鱗が現れている…
◆窓外に黒ずむ山や扇置く 源義(昭和八年) 石田波郷は『ロダンの首』の跋文で、 このやうに最初から完熟してゐる作者も珍しい。(中略)単に洒落た構図の句と言ひ棄てられさうな句だが、こゝにはる人生の一点が動きを止めて定着されてゐるやうなところがある。 と述べている。「窓外に黒ずむ山」とは、立山連峰。大須賀乙字の言う「二句一章」論を実践した初期の代表句。俳句の形を生涯大切にした源義の片鱗が現れている…
異場面の二句一章 降る雪や明治は遠くなりにけり 中村草田男 万緑や死は一弾を以て足る 上田五千石 曼珠沙華どれも腹出し秩父の子 金子兜太 同一場面の二句一章 夏の河赤き鉄鎖のはし浸る 山口誓子 神田川祭の中を流れけり 久保田万太郎 くもの絲一すぢよぎる百合の前 高野素十 大須賀乙字の俳句 凩に木の股童子泣…
酒は11月から3月にかけて、杜氏・蔵人等が酒蔵に入り醸造しますが、寒中に寒の水で造る酒を「寒造(かんづくり)」といいます。 では、俳句です。 おとがひに糀の花や寒造 阿波野青畝 門前に竜の玉あり寒造り 森澄雄 寒造り渚の如く米沈む 山口誓子
素風とふ色無き風に吹かれをり http://www.haisi.com/saijiki/ironakikaze.htm
曼殊沙華の咲く季節。 狐花・彼岸花・死人花・天蓋花・幽霊花・捨て子花・ *なかなか死ねない彼岸花さく 種田山頭火
例句 ★バレンタインデー俎に貝の砂 鷹羽狩行 ★バレンタインデー荒鵜は海猫の見張鳥 角川源義 ★バレンタインデー青畝日記は記録なし 阿波野青畝 ★ 丘の上に李あり愛の日の君も 金子兜太 ★ 人参をうさぎにバレンタインデー 星野麥丘人 ★ 秘めごととならざるバレンタインチョコ 稲畑汀子 ★聖バレンタイン斬首されし日咲く 椿 林翔 *海外では…