さんが書いた連載運動の日記一覧

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「制限時間は11時間」

「鉄子さぁん」 先輩だ。迎えに来てくれたのだ。遅すぎた。 今日はジョギングクラブの日。市民の森までは、決して自分のペースを崩さずゆっくり走る仲間に付いた。 森の中は日が差し込む程度で涼しいし、何と言っても地面の弾力が心地良い。 森までは2キロだからかなり心臓が慣れたのだろう。2周目から苦しくなくなった。 5周を目指そう。歩いている人を追い越す。速く走りたい。両足が宙に浮く感じだ。仲間を…

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「出来ないと思わない方がいい」

5月らしい爽やかな朝。今日は早く行こう。飲み物とタオル用意。 市民の森にはまだ誰もいない。1周は歩く。 腕時計スタート。一人で走り出す。「先ずは1周、先ずは1周」やはりキツい。 散歩している女性が二人、道を空けてくれる。挨拶して追い越す。 「先ずは3周」の途中であれ?と思った。きつくない、昨日は8時間筋トレだったのに、この前ほど疲れが残っていない。こんな風に自分の体とだけ向き合っているの…

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「みんな癌のお陰」

地上10メートル以上はある木々がざわざわと大きな音を立てている。よかった、朝一番に家の中に入れておいて。 6周したのでこれでやめます」 「えっ?!やめるの?」 「わかりました!まだ走ります」 この先輩は誰に対しても分け隔てなくサポートの手を差し伸べる。 朝早く目覚めた。昨日までの暑さは漸く和らいだが、代わりに強風が吹き荒れていた。 1メートル近くになった百合が心配だ。植物に風は大敵。…

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「欲しいのは夢、なんて言ってみる」

森を出て3人で歩き出した。日差しが突き刺さる。二人は私が森を出て来るのを待っていてくれたのだ。 公民館に集まり、市民の森を目指した。外に出た時から8月の朝を思わせた。走れるだろうか。昨日の仕事疲れが残っている。 先日市民の森を一緒に走った人の後ろに付く。 森に着くと他の仲間もいた。走り出して暫くはみんな一緒だった。 「オリンピックの時、この時間にはもうゴールしてるね」 「6時スタートな…

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「薔薇が凄いことになっている」

帰りもあの道を通る。ちょうど家一軒分の敷地に薔薇、薔薇、薔薇。広い道路際にはオレンジと黄色の中間のような、何とも言えない色っぽい花が、高さ3,4メートルの木全体にびっしり付いている。 小道に回れば深紅、真っ赤、薄いピンク、白、黄色、紫色と大小様々な花が咲き乱れる。 朝から仲間と一緒に林の中をジョギングしてきたから、気分は上々。 日曜日に青葉の森リレーマラソンで盛り上がった。その飲み会で…

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「どうしてNHKが取材に来ないのだろう」

緑の中を走るリレーマラソン。木漏れ日の心地良さを感じながら、と言いたいところだが、走っている時はただただ苦しい。 走りきって襷を渡すとテントに向かう。電車に乗る前にコンビニで買った飲み物を流し込む。走り出してすぐに喉がカラカラになった。 序でにレタスで中央が膨らんだサンドイッチも食べる。もう止まらない。一人用の鶏のササミも、カボチャのサラダまで平らげる。 一周2キロのコースをチームでリ…

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「あと10分で電車が来る」

前を行く中学生が細長いケースを落とした。慌てた風でもない。おいおい大事なバットだろう。 すると後ろを歩いていた明らかに1年生らしい男子が追いかけて拾った。 ホームには違うユニフォームを着た一団もいる。 日曜の朝7時過ぎは試合に出掛ける中学生のものだ。 私はこれから青葉の森に向かう。次の電車先頭に仲間が乗っている。 1ヶ月走ってないから、苦しいのは分かっている。昨日、一昨日と市民の森に行…

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「バトンは渡された」

陸上世界リレーが面白い。名前も知らない女子4人は世界のトップクラスと争い、善戦した。日本新が出て喜びあっている。 画面には観覧席で見ている有名な陸上選手が映った。私でも知っている男子選手が順番に映った。最後の選手は詰まらなそうだ。桐生だ。 前日、一人が100メートルを走る男子400メートルリレーを見た。日本は二走まではもしかすると1位かと思われるような走りを見せたが、リレーは怖い、三走から四…