さんが書いた連載国立演芸場の日記一覧

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4月国立演芸場寄席初日

昨日(4月16日)、紀尾井ホールで、“柳家小満ん”がトリを勤める公演の初日を見た。 少し早く家を出て、昼餉は池袋のデパ地下にある寿司屋で、まぐろ丼を食べた。 食後、6階にあるギャラリーで目の保養をした。 大概は、行くたびに展示されている作品が替わっており、無料で洋画や日本画を楽しめるのがいい。 出演者と演題は下記の通りだが、各々の感想は省略する。 皆さん、それぞれ熱演したが、200席ある小ホー…

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日本の寄席芸(二日目)

昨日、前日の初日に続き「日本の寄席芸」の二日目を観た。 10月14日から25日までの12日間に、10回の公演があるけど二日目が第一希望だった。 残念ながら、最前列は叶わなかったが、二列目の中央ブロックが取れた。 真打の落語家は六人出演するが、全てが好きな師匠だった。 蜃気楼龍玉は、前座の開口一番の後に登場して、『ぞろそろ』を口演した。 以前から感じていたが、語り口が師匠の雲助を彷彿…

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国立演芸場12月中席2日目

昨日、国立演芸場で12月中席2日目を見た。 此処に通い始めて来春で丸8年が経つが、その間に200回ほど見ているので、月平均だと2回ほどになる。 最近は、コロナ禍に配慮し、月1回を目途にしている。 国立演芸場と同じ敷地内に国立劇場があるから、敷居が高かった歌舞伎や文楽も楽しむようになった。 東京には、定席の寄席が上野、新宿、浅草、池袋の四箇所あるが、其処へは行かず国立演芸場一筋なのには…

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神田伯山の『五貫裁き』

通常、寄席の定席は、途中で「中入り」と呼ばれる休憩があり、前半と後半に別れている。 人偏を付けて「仲入り」とも書くが、人が入るの意味があり、縁起を担いでのことらしい。 出演者は、先ずは、後半最後のトリと、前半最後の中入(中入前)を決める。 勿論、トリが格上なのは、言うまでもない。 例外もあり、真打昇進や襲名の披露公演などである。 ところが、国立演芸場10月上席は、講談の神田伯山がト…

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国立演芸場六月中席三日目

昨日は、国立演芸場へ行った。 急に決まった旅から戻ったばかりだが、落語は一ヶ月以上前から決まっていた。 旅先では殆ど失敗をしなかったが、昨日は最寄り駅に着いたら、補聴器を忘れていることに気が付いた。 落語を聴くのに補聴器は必需品なので、家に引き返すしかなかった。 それでも、朝の電車が多い時間帯だったので、事なきを得た。 昼餉は、池袋のデパ地下で食べることにした。 千葉県産生マグロを使った、限定…

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国立名人会 ―まさかの休演―

最近、国立演芸場へ行くのは月一回を目途にしているが、原則に反し、それも日曜日に出かけたのには訳がある。 五代目圓楽一門会の重鎮である、三遊亭鳳楽が銀座の日本料理屋で開催してきた、落語会を楽しんで来た。 落語の後にある、鳳楽師匠を交えた宴席も魅力だったが、コロナ禍で中断している。 その鳳楽師匠が5月国立名人会に出演するのだから、観ないわけには行かない。 国立演芸場に着くと、先ずは玄関脇に表示され…

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令和四年の初笑い(新春国立名人会)

毎年、一月の国立演芸場は、二日から七日まで新春国立名人会を興行する。 二日だけ二回公演だから、松の内に七回ということになる。 五日の良い席(最前列中央ブロック)が、確保できたので観に行くことにした。 噺家の出演者は、半数以上が定席だとトリを務めるような、錚々たるメンバーが揃っている。 落語芸術協会(遊三・夢太朗・米助・鯉昇・文治)と、円楽一門(好楽・兼好)の七名だ。 今回のお目当ては、仲入り前…

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体調不良の寄席通い

昨年の2月以降、コロナ禍に配慮して、寄席通いを自粛していた。 とはいえ、皆無だった訳ではないが。 今年の6月にワクチンを接種したこともあり、10月から月一回を目途に、国立演芸場通いを再開した。 桂歌丸の総領弟子である桂歌春がトリを務める、12月上席6日目のチケットを取った。 昨日は、朝から体調が良くなかった。 熱はなく、食欲はあったが、血圧が高かった。 インフルエンザ予防接種の副作用を疑ったが…

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桂宮治真打昇進披露公演(中編)

東京落語(江戸)と上方落語は、演目の交流はあるが、異なる面も少なくない。 華やかな上方と、渋さの東京と言って良いだろう。 また、上方落語で使う、見台、膝隠、小拍子は、東京落語には無い。 東京落語で、正座が辛い師匠が、見台や膝隠みたいなものを使うことがある。 講談師が使う釈台で、見台と膝隠の機能を併せ持っている。 他には、東京落語には身分制度があるけど、上方落語には無いのも大きな違いだ。 東京で…

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桂宮治真打昇進披露公演(前編)

国立演芸場へ初めて行ったのは、2015年2月上席である。 テレビ番組「笑点」のレギュラー、三遊亭小遊三がトリを務めた。 中入りは、今は人間国宝になっている、講談の神田松鯉(しょうり)だ。 松鯉の弟子である二ツ目の神田松之丞は、その後、真打に昇進して伯山を襲名したが、開口一番(前座)に続いて高座に上がった。 色物は漫才のナイツで、この日のことは、今でもよく覚えている。 翌3月は、隣接する国立劇場…

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今年の鹿芝居は・・(2月中席)

国立演芸場へ通い始めたのは、2015年(平成27年)2月上席からである。 トリは三遊亭小遊三、中入り前は講談の神田松鯉(現・人間国宝)だ。 前座の開口一番に続いて高座に上がったのは、松鯉の弟子で、駆け出しの神田松之丞(現・伯山)だった。 今では、チケットが取り難い、講談師になっている。 当時、二ツ目の松之丞は、後輩に数人の女性は居たが、男性では、いつまで経っても最年少の講談師だったのを、マクラで…

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落語の楽しみ(後編)

 国立演芸場八月中席三日目二部の、出演者、身分、演題、持ち時間、感想をまとめた。  独断と偏見に基づく感想なので、予めご了承ください。 ■桂空治(前座)『やかん』(10分)  空治と書いて、「そらじ」と読む。マクラで、中席一部の主任を務めている「文治の弟子」と自己紹介していた。帰宅後、東都寄席演芸家名鑑(2018年12月現在)を調べたが、載っていなかった。入門して間もないようだ。  お馴染みの…

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落語の楽しみ(中編)

国立演芸場の定席(上席・中席)は、8月1日から再開したが、コロナ対策で営業形態が変わった。 簡単に言えば、三密を防ぐ対策である。 客席の前後左右を空け、客同士の「密接」を避ける。 最前列を空席にして高座との距離を広げ、客と出演者の「密接」にも配慮する。 その結果、300席が140席と半分以下になり、「密集」は避けられる。 今までの休憩を挟み3時間の公演を、休憩なしで1時間半に短縮し、「密閉」さ…

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落語の楽しみ(前編)

子供の頃からの、年季が入った落語ファンである。 小学生になる前から、ラジオで聴いていた。 当時、古典芸能は落語に限らず、講談や浪曲も頻繁に放送していた。 昭和の名人と言われた、三遊亭圓生の古典落語が好きだった。 廓噺に登場する花魁(おいらん)の意味が分からず、母に訊いたことがあった。 母は、「〇〇ちゃんが、大人になれば分かるよ」と、教えてくれなかったが、大人になったら花魁は姿を消していた。 落…

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2月中席9日目

寄席では、前座、二ツ目、真打の順に、噺家が高座に上がる。 この日は、出番が早い3人が、2日目とは顔ぶれが変わっていた 前回と同様に馬生一門の若手が、交替で高座に上がっている。 ■金原亭杏寿/前座(道灌) 世之介の弟子としては、姉弟子の乃ゝ香に続き、2人目の女性である。 2日目に高座に上がった、弟弟子の駒平と同じ噺を口演した。 前座になって1年も経っていない割には上手だったのは、後で調べたら、入…

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続 鹿芝居出演者

前回の投稿で、林家正雀の後に小さく写っていた二人を、改めて紹介する。 ■左奥 金原亭馬玉(和泉屋多左衛門) 兄弟弟子の馬治とは、入門、前座登録、二ツ目昇進、真打昇進の全て、同年月である。 入門が数日遅れたのか、年齢が下だからか分からないが、二番弟子らしい。 通常、この世界では、年齢より芸歴が優先される。 ■右後 金原亭小駒(下女およし) 将来が期待できる二ツ目。 古今亭志ん生(5)は曾祖父、…

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鹿芝居出演者

国立演芸場2月中席の大喜利、鹿芝居「与話情浮名横櫛 ―源氏店―」を見た。 終演後の出演者を、ご披露する。 許可を得てカメラを向けると、皆さん、ポーズを取ってくれた。 ■四人(左から) 金原亭馬生(切られ与三郎)・金原亭馬治(手代弥吉)・古今亭菊春(番頭藤八)・金原亭世之介(蝙蝠の安五郎) ■三人(中央・右・左) 林家正雀(横櫛お富)・金原亭小駒(下女およし)・金原亭馬玉(和泉屋多左衛門) …

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三つの幸運

毎年、国立演芸場2月中席は、中入りの後に鹿芝居をやっている。 噺家(はなシカ)がやる芝居(シバイ)だから、鹿芝居(シカシバイ)と洒落た命名だ。 金原亭馬生を座頭とした鹿芝居は18年続いているらしいが、今までに、『品川心中』、『らくだ』、『子は鎹』、『辰巳の辻占』を見てきた。 何れも落語の演題を元に、林家正雀が、“竹の家すゞめ”のペンネームで脚本を書いている。 蝶花楼馬楽は、昨年の『辰巳の辻占』…

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令和2年 2月上席 5日目

寄席に於いて、出演者の変更は日常茶飯事である。 今回は、トリを務める春雨や雷蔵が、5日目を休演した。 誰が代演するのか未定だったが、チケットの発売開始時から休演は決まっていた。 ところが、うっかりして、その日のチケットを取ってしまった。 後日、三笑亭夢太朗が代演することを知り、その幸運を喜んだ。 12月上席でトリを務めた夢太朗は、9日目に『中村仲蔵』を口演した。 その素晴らしさに、痺れて…

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令和2年 1月中席 千穐楽

毎年、1月の国立演芸場は、2日から7日まで新春国立名人会があるので、上席が無い。 定席は中席だけで、今年も落語芸術協会の公演だった。 特に目当ての噺家はいなかったが、大いに楽しむことが出来た。 以下、高座に上がった噺家の感想を記す。 ■三遊亭 馬ん次(たらちね) 円馬の弟子で、前座になって4年目。 落ち着いた語り口で、安心して見ていられた。 古典落語の侍を演じたら、ぴったりの風貌をしている。…