さんが書いた連載読書感想連載の日記一覧

会員以外にも公開

第18番目『元気に下山』(五木寛之著)は、自分は何もわかっていない、 でも、考えただけでもよかった、と。

酸未曽有の時代に直面する「覚悟」   いまだかつてなかった時代を生き抜くために、いまの自分たちいできることは何か。 私自身もまだわかっていません。 答えは見つからないじゃないかと思っています。  まずは「覚悟」を決めること。 これまでの人類が経験したこともない時代に突入しようとしている。 事実は事実として受け止めるしかない。その覚悟を持たなければ、始まりません。 人生100年時代にふさわしい…

会員以外にも公開

第17番目『院長の恋』(佐藤愛子著)は、院長の恋も、恋の宿命を辿った。そして柏木院長は恋から癒えたのである、と

 二人は3セット勝負し、3セットとも浩一郎が負けた。院長と黒田マキはネット越しに握手した。 彼女はお義理のように唇の端に薄い笑を浮かべた。 黒田マキは太田の代りに病院へ来るようになった。 「女よ・・・女が出来たわ、院長は」 「院長もまさかの恋に落ちてるわ」  朝子は嘘が許せない少女だった。だからつき合いにくい、といわれてクラスメイトから敬遠されていた。 「和歌子か。わしだ。早速だがな、朝子を辞め…

会員以外にも公開

第16番目『私一人』(大竹しのぶ著)は、私は一人であり、私自身と見つめあいながら最後まで生きるのだろう、と

初めてのギリシャ悲劇ー2003年「エレクトラ」   悲劇にはカタルシスの効果がある。憎悪や怨念をさらけ出すドラマを観て、人々は興奮する。それによって、血が全身んを駆け巡り、鬱積した心の闇から解放されるのだろう。 役者は癒しの職業。  女優  「青春の門」。 原作は五木寛之さんのベストセラー小説。メガホンを取るのは、吉永小百合、「キューポラのある街を手がけた浦山桐郎監督。 浦山監督はいつも、…

会員以外にも公開

この1冊『風の良寛』(中野孝次著)は、良寛は、生涯ずっと身を無の側に置いて生きた、という

 良寛のその人となり、人間性も、その書や詩や歌も、すべtわたしには堪えられぬそういう極限にまで単純化された生からのみ生まれた。 良寛が最も尊敬した道元。 貧乏でなければ道は悟れない、と。  「貧なるが道に親しきなり」 目に見えない価値に身を捧げる決心をして、僧になった。 良寛の、 弱弱しい無抵抗なつぶやき。 水が岩石を流すようなものだ。また実体のないものであってこそ、少しの隙間もないところまで…

会員以外にも公開

『朝ごはん』(川上健一著)は、氏の話した小説創作方法を見事に実践した面白い感動的な小説だった

 『朝ごはん』は、「自分に就職して大正解でした」「人の世は縁だって思うよねえ」 「今の自分は、昔のいろんなことがあった自分があるからだよねえ」「私って情けなかったことだらけとか、ダメだらけだったんだけど、今の私があるのはそういうことを経験したからなんだってつくづく思うんです」と。 ー 春  島森慶。 好きで入った図書館を、自分のわがままで2年で辞めてしまったたたりだから。 八ヶ岳南麓。標高1…

会員以外にも公開

第13番目『拉致と決断』(蓮池薫著)は、拉致されてから帰国後までをつづってきた。これは私たちの生活実態の記録であると同時に、心情・感情変化の記録といえる、と

人質ー日本に引き留めようとする家族とも「戦わ」なければならなかった  2004年5月に子どもが帰って来た。これは私たちが、真に夢と絆を自分の手に取り戻した日、自由を回復した日でもあった。 帰国したのは、すでに帰国した拉致被害者の子どもだけという事実。 他の拉致被害者の家族にとってはなんとも忍びがたい結果になった。  自由の海に溺れないー日本の自由は、私たちに興奮と戸惑いをもたらした。  2…

会員以外にも公開

第12番目『愛子の冒険』(佐藤愛子著)は、唯一取り柄があるとするとヤケクソの勢いがあることだと思います、と

ー馬はハンサム、馬券は単勝  競馬というものは 人を消耗させるということだ。 競馬で儲ける人というのは40人に1人の割合でしかいないということだ。あとの39人は汚れムスビとなる。 しかしその中で私の父だけは決して汚れムスビにはならなかった。こっちの方は、<怒り馬>の感じだった。 「怒ったってしようがないやありませんか」 母はよくいっていた。 「アホらしい・・・」 しかしそういいながら母も、父に…

会員以外にも公開

第10番目『富士川』(鬼丸智彦著)は、主人公・長沢司、戦争中小学6年生が、自分の亡くなった妹と同年齢の小学2年生の朝鮮人の少女・淑子と交流をメインに、戦時中の子供達の様子を描き出した作品だった

『富士川』を書いた鬼丸智彦氏は、僕の所属する読書会の主宰者である。そして、この読書会の対象作品を決めるのも、鬼丸さんである。鬼丸さんは、坊っちゃん文学賞、やまなし文学賞を受賞し、幾冊も小説を、自費出版していることは知っていたが、特に、瀬尾まいこ氏と同時受賞した経緯は初めて知った。 『富士川』も一度読んではいるが、今回再読して、こんな小説だったのか、と驚いている。特に、僕は、鬼丸氏を同世代で、いま…

会員以外にも公開

10番目『卵の緒』(瀬尾まいこ著)は、親子の絆はへその緒でも卵の緒でのない。それは掴みどころなくてとても確かなもの、と

「坊っちゃん文学賞を、僕の読書仲間の鬼丸智彦氏と同人委受賞して、鬼丸さんから紹介された瀬尾まいこ氏の受賞作『卵の緒』を読了した。 ー親子の絆はへその緒でも卵の緒でもないこと。 それは、掴みどころがなくてとても確かなもの。だいたい大切なものはみんなそうだ。 僕は何1つ繋がりのない妹、育子ととても仲が良い。 2023年5月19日読了。 *瀬尾まいこの『もう少し、あと少し』も、この『卵の緒』も、…

会員以外にも公開

9番目『あほな女 生きてる限り、生きていく』(中村玉緒著)は、私の場合、命までも助けてくrたのが女優であり、それしか私の「道」はないと気がついyたのでし、と

 絵に描いたような二枚目  昭和35年(1960年)の『不知火検校』。この映画作品では、主人に強姦される場面もある、よごれ役でした。  勝新太郎は、 『不知火検校』のときから、主人が私を女として見ていてくれたんじゃないかとは思います。 「結婚を前提にしないと交際はできないと思っていた。その場限りの軽い付き合いをするつもりはない」と、ゆうてくれました。嬉しかった。  偶然のブルーリボン賞 …

会員以外にも公開

五木寛之著『人生のレシピ 疲れた心の癒し方』を読む

五木寛之氏の「人生のレシピ」シリーズの第4弾『疲れた心の癒し方』を読了した。『人生百年時代の歩き方』第2弾『孤独を越える生き方』第3弾『健やかな体の作り方』を買って読了したが。  第4弾『疲れた心の癒し方』 ーよくぞここまで流浪の人生を送ってきたものだ  自動小銃で武装したソ連軍兵士が我が家に踏み込んできました。 命こそ奪われずに済んだものの、 母はこのとき受けた心身の傷がもとで、帰国を果…

会員以外にも公開

親友・宮崎吉宏著『甲斐駒開山』を読む

 僕の高校の同級生。同人誌懇話会で知り合い、文学を共に愛好し、文学を語り合ってきた宮崎吉宏君のライフワークと言うべき『甲斐駒開山』を、やっと読了した。この本は、山梨県内の優秀な文学著書に贈られる、中村星湖文学賞を受賞し、そのお祝いのパーテイに僕も出席した思い出もある。 それでいて、この本を再読して見て、こんなに細かく、描かれ、記されていたのかと、愕然とする思いだった。 ー「だけどなあ、本業そっ…

会員以外にも公開

梅雨に入ったら部屋で読書するしかない

 僕は、この頃はずっと、晴れた日は、用事がなければ、我が家の庭に出て、苺を摘んで洗って食べたり、落ち葉を拾い集めたり、植木の延びた枝を切ったり、そして、椅子に座って読書を楽しむことを日課にしている。 それは、部屋に居て読書をしようとしても、すぐ眠くなってしまうので、読書を、外で椅子に座ってすると、眠くはなるが、部屋で読むより、多少眠気が緩和され、読書の能率が上がるからである。 それにしても、今の…

会員以外にも公開

6番目『漂流者の生きかた』(五木寛之・姜尚中著)を読む

 私には異様なほどに旺盛なエネルギーがどこから生まれて来るのか、知りたかったから。 それが、「引揚者」として生き残った者(サバイバー)の生命力に由来する。 その作法を自ら体現しているのは、私の場合では、父と母であった。五木さんに感じた懐かしさは、そうした父や母と共通する佇まいのせいに違いない。 「デラシネ」であることは、 人間が作り上げる、壁や境界が、 脆弱で当てにならないものであると見切り、 …

会員以外にも公開

5番目『80歳の壁』(和田秀樹著)は、幸齢者は、「ありがとう」と素直に受け入れ、何でも楽しんでしまう生き方が良いと

 日本にはいま100歳オーバーの人が8万6000人もいるそうです。 私は61歳の医師です。高齢者専門の精神科医として約35年間、臨床現場で過ごしてきました。  すべての人に共通することが。 全員が死んでいく、ということ。 「幸せ」とは、 自分がどう考えるかいよって決まってくる。 まだこれはできる、あれも残っていると「あるある」を大切にしながら生きる人がいます。 「あるある」で生きる人のほうが幸…

会員以外にも公開

『核兵器のない世界へ 勇気ある平和国家の志』(岸田文雄著)は、人類社会はなお、核の恐怖に怯えて生きています。人類は再び、悪魔の業火に手を伸ばしかねないような仕草すら見せています。 「寛容と和解」の精神をもって、 分断から協調へ、 核兵器のない世界を目指すために、 国際社会にこの流れを作るため、自分の人生をかけて、取り組んでいきたいと。)は、人類社会はなお、核の恐怖に

 はじめに  「核兵器のない世界」に向けて前に一歩でも踏み出していただければ。 2020年秋 岸田文雄  生い立ちと家族  親戚・縁者の中の一人に核廃絶運動でノーベル平和賞を受賞し、 スピーチをされたサーロー節子さんがいます。  ニューヨーク時代  様々な個性、言い換えれば多様性を抱擁し、それらと共に生きるー。米国という国家が体現していた普遍的な価値、「自由」を貴ぶ姿勢に私は大いに感銘…

会員以外にも公開

『池上彰の世界はどこにむかうのか』(池上彰著)を読了

 自由の国を守る人々  トランプ氏は数々の暴言で批判されましたが、そのおかげで注目されるようになりました。 「闇」とは、正しい情報が十分にいきわたらない世界のこと。 正しい情報、豊富な情報によって世の中は照らし出され、 世の中はよくなっていく、それが民主主義だという意味。  トランプ勝利に見る現代アメリカの姿  大統領は国歌元首と行政のトップの両方の役割を担います。  メラニア・トランプ…

会員以外にも公開

3番目『ローマから日本が見える』(塩野七生著)を読んで

『ローマから日本が見える』(塩野七生著)をやっと 読了した。かなり以前から読み始めたが、なかなか読了するまで行かなかった。それでも、とにかく、読了した。  勝者ゆえの混迷  スッラ改革の盲点とは  共和政にとっては最も忌むべき「個人プレー」の時代の幕開けでした。  「創造的天才」カエサル  終身独裁官  独裁官の在任中はローマの共和政が停止されるということに。 カエサルは独裁官に「…

会員以外にも公開

1番目『坊っちゃん』(夏目漱石作)の読書感想

『坊っちゃん』は、ぼっちゃんとヤマアラシの教員交流生活を描く ー僕は、夏目漱石の大ファンであり、『三四郎』『門』『明暗』『吾輩は猫である』は読了したが、この『坊っちゃん『』は読んでなかった。 たまたま、CDで解説を聴いて、読んでみようと思い読み始めた。だけど、それほど面白くはなかった。だけど、主人公の坊っちゃんを通して、漱石の陳情性格g思い浮かび、そこだけは面白かった。  「増給がいやだの、…