連載:日本語

日本語がむずかしい

分かったつもりだった。
作文教本よみ、まとめてメモし、よく覚えたはずなのに、見るのが初めてのような項目ある。
「段落とは、ある一つの考えのひとまとまりで、読み手にとって分かりやすくリズムがあるべきもの」、「夏目漱石『草枕』の一節のように」と、井上ひさしがいう。
しかし『草枕』のその一節がわたしのノートにない。

あった。インターネットはすごい。すぐに見つかる。
「智(ち)に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい」。
ここが一つの段落で、確かにリズムある。
これも。
「住みにくさが高じると、安い所へ引き越したく