高橋義夫 の 猿屋形 鬼悠市風信帖3

★3.5 シリーズ3作目。

鬼悠市は足軽目付ながら奏者番の加納正右衛門の命を受ける。今回、加納は寺社奉行を兼ねるからという説明があった。

「雪鬼」では雪深い苦水村での探索という厳しい自然環境、「猿屋形」では赤湯という山深い湯治場が舞台である。作者らしい地方の描写がいい。甘柿がないとか、竹の種類によっては北限だとかも。

徒目付というまぎらわしい役目が登場するが、こちらは200石取りのれっきとした士分、同じ市中の取り締まりだが身分がはるかに上。

「めっけ小僧」の一派は・・。飢饉にあえぐ隣の魚谷藩の改革を目指す者達だが。これからも登場するのかな。

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