今村翔吾 の 童の神

★3.4 H30下直木賞候補作。

平安時代には数々の伝説が残る。藤原秀郷の近江三上山の百足退治や、源頼光と四天王(渡辺綱、坂田金時、碓井貞光、卜部季武)による土蜘蛛退治や大江山の酒呑童子討伐、更には平将門の娘とされる妖術使いの滝夜叉姫など。

退治された者どもは言われるような鬼や妖怪の類ではない、彼らこそ時の朝廷に「まつろわぬもの」であり、蔑んで「童」と呼ばれたものたちである。

越後蒲原郡の豪族の息子・桜暁丸(おうぎまる)は国司の源満仲(頼光の父)から迫害を受け脱出、以後は検非違使や武官を狙う兇賊・花天狗として活躍、更には大和葛城山、摂津竜王山、丹波