前編
1926年、8月27日、ポーランド軍テストパイロットである
ボレスワフ・オルリンスキ大佐は
メカニックのフィリプ・クビャク軍曹とともに
ワルシャワから東京間10,300kmを飛行するため、
晴天の中、一路東へと旅経った。
これはヨーロッパ人の日本への初飛行であった。
一行はモスクワ、ハルビン等を経由しながら
九月5日に日本の所沢飛行場に到着し、
多くの日本人から熱烈な歓迎を受けている。
当時のポーランド情勢は、1918年第一次世界大戦終結と共に
ロシア、ドイツ、オーストリア=ガンガリー帝国支配から解放され、
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連載:シベリアの異邦人~ポーランド孤児と日本~後編、ワルシャワ蜂起編、完結編