〔六根清浄と智慧の源流〕南伝仏教の東アジア流入

①我が国では縄文時代の昔から、五帝期の神仙思想、天竺風の習慣・来世観・石の文化、さらに初期仏教に似た教義が根づいていた。このことから、「東の海上に神仙郷がある」との噂が何度も春秋期の中国に伝わり、斉の威王・宣王、燕の昭王らが東海上に探検隊を送るのであり、儒教を弾圧した秦始皇帝も神仙思想に心を開き、不死不老の仙薬を手にしたいと徐福を遣わしたのだ。
邪馬台国時代、この種の神仙観が鏡の模様となって現れた。神仙の人物画像が鋳込まれたホケノ山古墳(奈良県、三世紀中葉)の画文帯神獣鏡、仏の光背と似る円形模様が神像背後に描かれた椿井大塚山古墳(京都府、三世紀末)の三角