青山文平 の 江戸染まぬ

★3.4  7つの短編集。
「つぎつぎ小袖」疱瘡除けにつぎつぎ小袖を親類に頼んで回る貧乏旗本の妻女は貧窮に喘ぎながらも夫の欲しがっていた漢籍を買い与えた恋話。

「町になかったもの」紙の生産で賑わう村が発展して町となった。江戸で評判の店が出店を出すようになる。紙問屋の男が江戸で目を付けたのが書肆だった。

「剣士」厄介叔父の2人は毎日を釣りに出かけ姿を消す。60を越えどうやって命を絶つかを考え、お互いの家に迷惑をかけぬことは決闘の相打ちで命を落とすこと。

「いたずら書き」藩主は江戸の目安箱へ出せと書状を渡された小姓頭の男。旧の友を貶める内容に独断でそれ