藤井邦夫 の 紙風船 新・秋山久蔵御用控(九)

★3.3 新シリーズ9作目。
〈不始末屋〉という珍しい商売、子や孫の不始末をでっち上げ、揉み消してやると身内から大金を騙し取る。オレオレ詐欺に似ている。

〈嘘吐き〉はうそつきと読む。昔はうそ、デマ=汚いものとしたか、吐くがぴったり。

「紙風船」では珍しく、北町が捕えた犯人を、犯人ではないと一膳飯屋に親爺を人質に立てこもる女が、南町に調べ直しを要求する話。こういう直接的な必然性が無い限り、奉行所間で捕り違えを指摘するなどないのかも。お互いにメンツのある話、お奉行さんも冷静ではおれまい。定期的に南北で与力会議をやっていたようだが。

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