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よくあるご質問

今村翔吾 の 襲大鳳(上下) 羽州ぼろ鳶組

◆襲大鳳(かさねおおとり)上 羽州ぼろ鳶組★3.3
シリーズ11巻目。前作はこの巻で尾張藩火消頭だった伊神甚兵衛を登場させるための布石だったようだ。18年前、林大学屋敷火事で松永源吾の父・重内は亡骸となった。だが、そこにあるはずの甚兵衛の亡骸は見つからなかった。尾張藩火消を全滅させた者への復讐を狙っていたのだ。

新人火消のい組の慎太郎とめ組の藍助は市中回りの最中に市ヶ谷の尾張藩上屋敷の出火に出くわした。屋根が爆発したように爆ぜ、炎の上がり方が異常である。そして八重洲河岸定火消の頭取・進藤内記もその現場にいた。源吾はこの火事の異常さに着目、加賀鳶の大音勘九郎を通じ、江戸のすべての火消頭に警告を促した。

次は麹町の中屋敷、次々と爆ぜる火事、源吾たちが追い詰める5番目の火事現場に現れたのは、火消羽織に鳳凰を使うあの伊神甚兵衛、「この火付けは俺が止める」と言い残して消えた。

麹町定火消の頭取・日名塚要人や火消全員が田沼の意図で集められた者達(遠国奉行配下)であったことも語られる。彼らは田沼の目付として動いていたのだ。

◆襲大鳳(かさねおおとり)下 羽州ぼろ鳶組★3.3
上巻に続き爆ぜる火事を追う。風読みの加持星十郎はその正体を推定した。爆ぜたのは瓦斯、床下ににその瓦斯を生じさせる装置があると。それは塩酸に鉄を投じて発生させたもの。

そして尾張藩3度目の出火は戸山屋敷と呼ばれる下屋敷。源吾はそこに現れた伊神甚兵衛を匿い、ことの真相を聞くことに。世話になった桐生の民、かっての尾張火消の遺族を人質に、一橋家に脅され瓦斯の発生法を教えたというのだ。だが、火付けそのものはやってはいなかった。

窮地に立った一橋家は、全ての罪を甚兵衛だとすべく、一橋屋敷への火付けの予告があったとした。江戸の火消のすべてが加賀鳶・大音勘九郎の元に一橋御門に殺到する。煙を吐く一橋屋敷で遭遇したのは何と当主・一橋治済(家斉の父、反田沼の黒幕)だった。安永3年(1773年)治済23歳の時。

一橋家の人質は解放され、火付けは狂言だと判明すると、治済は家臣の1人に責任を負わせた。だが、ここでも一橋家かなぜ尾張家を狙ったのか、これまでの数々の企みの目的は明らかにされない。今回の甚兵衛が脅されて一橋に協力したとする筋立てには疑問が残る。そんなことなら甚兵衛は自らの命を断っていたであろうに。

作者のあとがきによると、この巻はドラマでいうシーズン1の最終回という位置付けらしい。まだまだ続きそうだ。火消仲間が結束してくると、物語の面白みが薄れてしまうのもどうか。異色を放つ八重洲河岸定火消・進藤内気と麹町定火消・日名塚要人に期待するしかないか。

カテゴリ:アート・文化

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