昨日、今年に入って初めて道を翔ぶ蝶々に遭遇をした
春だ、春の使いが来た
あの白地に黒の文様がある紋白蝶が、ひらひらと左右に振れながら、ゆるやかに僕の頭上高くまで昇り、すれ違っていくのを背にした
多分、次に来るのは紋黄蝶、そして夏に誘う揚羽蝶の番だ
還暦を越える歳月の繰り返しに、僕はなんとはなしに蝶々のお出ましのしきたりを覚えている
春の陽気や夏の炎天の日差しのなかを翔ぶ蝶々は明のイメージがある
蝶には明と暗があるように思う
紋白蝶、紋黄蝶の明に、暗は蛇目蝶だ
薄茶色の地に目玉のような黒い斑点模様がある
揚羽蝶の明に、暗は黒揚羽だ
黒色
連載:妄想爺やの喜怒哀楽2