連載:妄想爺やの春夏秋冬

花筏(はないかだ) 子らが流るる 下校かな

せっかくに桜が咲いても、学校が春休みであることが多い

ただし、入学式に桜が咲くのは、もっとも喜ばれ、家族いっしょにインスタ映えをした記念写真が撮れる

そんな、桜の花がない通学路には、一足先に散った川沿いに咲く桜の花びらが、筏を組むように流れる川のように児童らが歩く

朝方は、手をつないでの整然とした集団登校であり、夕方は、お友達といっしょに連なり帰るつれづれの下校だ

桜の花はなくとも、通学路には児童らの花筏(はないかだ)が、次から次から歩いて来て、歩いて行く

ああ、この世の春だ

拙句一句

花筏
子らが流るる
下校かな

※ 写真は昨年の3月3