坂井希久子 の さらさら鰹茶漬け 居酒屋ぜんや10

★3.5 最終巻。一夜の深い仲も、気楽な間柄でいいと夫婦を拒まれた只次郎は武家を捨てる決断を。ご隠居に菱屋の養子といういう名目を許され、兄の重正に承諾を得たのである。寛政6年(1794年)林只次郎24歳、お妙30歳となっている。

お妙の両親、前夫を巻き込んだ事件の黒幕は一橋治済、あの「ぼろ鳶組」と重なる。大奥のお栄からの慈徳院のルリオ調との情報から実父の岩本内膳正へと繋がり、最後に只次郎が呼び出された大久保の下屋敷で真実が明かされる。

母親から虐げられていた鼻の利く9歳の娘・花が新たに登場しぜんやに転がり込んだ。秋の「ぜんや」二幕に繋がるのかも。