連載:水禽日誌

8月の俳句帳(100)令和三年8月31日

1)方丈(ほうじょう)へ筧(かけい)水音秋の風

2)野ざらしに色無き風の暮れる寺

3)山彦の帰る杣道(そまみち)秋立ちぬ

4)枝折り戸の唸る風音野分床(のわきどこ)

5)晩鶯(ばんおう)の声森に失せ百舌鳥(もず)の啼(な)く

6)恋扇(こいおうぎ)折れ舞ふ卍(まんじ)秋蝶二(に)

7)しおからと門扉(もんぴ)で出会いポスト行く

8)木耳(きくらげ)を青菜と刻む昼饂飩(うどん)

9)まな板で野菜を刻みてちちろ鳴く

10)水琴の甕(かめ)の音涼し昼古刹(こさつ)

11)雷(いかずち)の天鳴動し激雨降る

12)大皿にかつおの刺身宴夕餉(え