連載:俳句帳

7月の俳句帳(99)令和三年7月30日

1)土石流襲いし熱海虎が雨

2)伝統の藍染め晒(さら)す梅雨晴れ間

3)恙(つうが)なく二回目接種梅雨空ける

4)入相(いりあい)の鐘の音(ね)届く釣鐘草

5)エンジンを全開にして蝉時雨

6)今年又出会ふ灯心(とうしん)遊歩川

7)雨安居(うあんご)や接心(せっしん)終わりて粥(しゅく)を待つ

8)山緑(やまみどり)朱(あか)屋根一軒鶏(とり)の啼く

9)鷺草の飛び立つ庭や古刹(こさつ)朝

10)ごきぶりよ硼酸(ほうさん)団子召し上がれ

11)水郷の騒ぐ葭原(よしはら)行々子(ぎょうぎょうし)

12)ジグザグと視野に青筋庭揚羽

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