辻堂魁 の 寒月に立つ 風の市兵衛 弐

★3.4 第弐部9作目。
舞台紹介の地図からは新潟の抜け荷の話か道中ものかと期待したのだが・・。越後津坂藩の継嗣をめぐるお家騒動である。

津坂藩を探っていた返弥陀ノ介が影の組織に襲われ生死をさまよう。兄・信正に呼ばれた市兵衛は仇を討つこと決意。

物語は10年前、藩主の密命で側妾に生まれた男児を連れて江戸に住む夫婦がいた。向島南の本所側で茶屋を営む主の清七が発見したのが水面に浮く弥陀ノ介。業平橋や押上橋などは江戸ものでも滅多に登場しないところ。

ある日突然、父母と思っていた両親からから若様とかしづかれた文吉こそ哀れ。兄の信正もずいぶん危険な仕事を市兵